
腹部コンパートメント症候群を合併した保存的治療中の下大静脈損傷に対しABTHERA ® を使用した1例(Successful conservative treatment for inferior vena caval injuries with abdominal compartment syndrome using ABTHERA TM )
Author(s) -
Masahiro Honda 本田 真広,
Hiroshi Okamura 岡村 宏,
Takeshi Inoue 井上 健
Publication year - 2021
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12610
Subject(s) - medicine , abdominal compartment syndrome , inferior vena cava , compartment (ship) , surgery , nuclear medicine , abdomen , oceanography , geology
要旨 症例は20歳代の男性。労働災害による体幹部の圧挫により受傷し当センターへ救急搬送となった。来院前よりショックが持続するためO型緊急輸血を開始し造影CTで骨盤骨折と下大静脈損傷による後腹膜出血を認めた。ショックの主な原因は骨盤骨折と判断した。両側内腸骨動脈塞栓術後に循環動態は安定したが腹部コンパートメント症候群を合併し開腹ドレナージおよびABTHERA ® ドレッシングを施行した。下大静脈損傷に対する血管修復はリスクが高くまずは後腹膜を開放しない方針とした。陰圧によるドレナージの影響で下大静脈損傷部の再出血が懸念されたが2度目の両側内腸骨動脈塞栓術以後は貧血の進行はなく第5病日に閉腹が可能であった。Extravasationを伴う血管損傷の止血が得られれば陰圧療法による再出血のリスクは最小限に抑えられると考えられた。腹部コンパートメント症候群を合併した保存的治療中の下大静脈損傷に対しABTHERA ® によるopen abdominal managementを施行した1例を経験した。