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COVID–19の第1波への対応についてのJAAM全国調査(JAAM nationwide survey on the response to the first wave of COVID–19 in Japan)
Author(s) -
Jun Oda 織田 順,
Takashi Muguruma 六車 崇,
Shigenari Matsuyama 松山 重成,
Seizan Tanabe 田邉 晴山,
Tetsuro Nishimura 西村 哲郎,
Yoko Sugawara 菅原 洋子,
Shinji Ogura 小倉 真治
Publication year - 2021
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12603
Subject(s) - covid-19 , medicine , emergency medicine , virology , outbreak , infectious disease (medical specialty) , disease
要旨 【目的】 本邦における新型コロナウイルス感染症COVID–19の第1波における医療スタッフ・設備・病床スペースの受け入れ能力と患者転帰を調査して明らかにすることを目的とした。 【対象と方法】 日本救急医学会救急科専門医指定施設を対象に2020年5月末時点での調査を行い回答を得た180病院102,578床のデータを解析した。 【結果】 COVID–19 による入院患者 4,938 例が解析された。1,100例の重症COVID–19入院患者のうち138例が死亡し112例は入院中であった。重症 COVID–19 の擬似症例は 4,852例で後になって感染例でないことが確認された。27病院180病院中の15%が集中治療室ICUをCOVID–19重症患者専用ユニットに変更し107病院59%が重症COVID–19患者と非COVID–19患者の両方を同じICUで管理しなければならなかった。ICUへの入室制限は前者27病院のうち1病院後者107病院のうち21病院で発生した。個人用保護具についてはN95マスクの不足が最も深刻な問題であった。ICU のベッド占有が高まる要因として重症度42%回復したが退室できない患者28%重症患者の経過が長いこと36%隔離解除基準の不明確さ34%などが挙げられた。救急科専門医の多くは地域の行政機関をアドバイザーやボランティアのコーディネーターとして支援していた。 【結論】 本研究におけるCOVID–19の死亡率は全入院患者の4.1%重症患者の12.5%であった。COVID–19専用ICUを構築した病院ではより多くの重症COVID–19患者に対応しておりICU入室制限率も低かったことから隔離解除や一般病棟移動基準の明確化とともに次のパンデミック時の戦略として有用である可能性がある。