
持続血液濾過透析により改善したメトホルミンによる乳酸アシドーシスの1例(A case of intractable lactic acidosis associated with Metformin overdose)
Author(s) -
Youhei Nakamura 中村 洋平,
Hiroshi Ogura 小倉 裕司,
Hiroko Matsui 松井 浩子,
Shinichiro Maeda 前田 真一郎,
Takeshi Shimazu 嶋津 岳士
Publication year - 2021
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12513
Subject(s) - medicine , lactic acidosis , metformin , anesthesia , surgery , insulin
要旨 糖尿病性腎症慢性心不全を加療中の81歳の男性。3週間続く食思不振後に意識障害徐脈ショックを呈し搬送となった。意識レベルはGCS E2V1M4呼吸数16/min血圧68/24mmHg脈拍24/min膀胱温32.1℃であった。血液ガス分析にてpH 6.941乳酸値127mg/dLカリウム値7.2mEq/Lと著明な乳酸アシドーシスを認めた。大量輸液カテコラミン投与経静脈ペーシング持続血液濾過透析CHDFを開始した。冠動脈造影検査で急性期異常なく腸管虚血敗血症性ショックメトホルミンによる乳酸アシドーシスMALAを念頭に治療を継続した。CHDF開始4時間後で乳酸値145mg/dLと改善なく腹部膨満と腹水貯留が増悪し試験開腹術を施行したが腸管壊死は認めなかった。全身管理を継続しCHDF開始6時間後より乳酸値は113mg/dLと改善を認め入院3日目に正常化した。後日判明した血中メトホルミン濃度は搬送時48.6μg/mLと高値を示しCHDF開始14時間後に18.8μg/mLと改善しておりMALAと診断した。入院6日目にCHDFを離脱し9日目にリハビリ転院となった。重篤なMALAに対するCHDFは血中メトホルミン濃度の低下と乳酸アシドーシス改善に有効と考えられた。