
救急科専門医を核とした医療チームによる急性肝不全診療体制の有効性(Multi–disciplinary treatment for acute liver failure that includes emergency and critical care physicians: A team approach)
Author(s) -
Yuko Nakagawa 中川 雄公,
Kentaro Shimizu 清水 健太郎,
Junya Shimazaki 島崎 淳也,
Jyotaro Tachino 舘野 丈太郎,
Tomoya Hirose 廣瀬 智也,
Takeshi Shimazu 嶋津 岳士
Publication year - 2021
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12512
Subject(s) - medicine , liver failure , emergency department , intensive care medicine , emergency medicine , nursing
要旨 【目的】 大阪大学医学部附属病院以下阪大病院では急性肝不全acute liver failure: ALFに対して救急医を含む診療チーム肝炎ワーキンググループ以下WGによる診療を行っておりWGにおける救急医の役割と今後の課題を明らかにすることを目的とした。 【対象】 WGが診療したALF疑いを含む165症例について後方視的に検討を行った。 【結果】 165症例のうち95症例を阪大病院に収容しうち83症例が高度救命救急センター以下救命Cに入院となった。非昏睡型ALF 28症例昏睡型ALF 48症例その他19症例でありそれぞれの救命率は89.2%64.6%42.1%であった。非昏睡型ALFに生体肝移植が1例脳死肝移植が2例実施されいずれも救命された。昏睡型ALFに対しては29症例に肝移植が実施生体24症例脳死5症例され21症例が救命された。生体肝移植が行われた24症例は全例が救命Cに入院しておりその移植までのICU管理実施期間の中央値は4日間IQR2–5.5であった。 【結語】 WGは集中治療と並行して肝移植の適応評価と準備を行い迅速に移植医療への移行が可能となっていた。このWG内で救急医は集中治療の適応と実践において中心的な役割を果たしていた。救急医を含むWGによるチーム医療はALF患者の予後の改善に寄与すると考える。