
初期波形心室細動の院外心停止に対しECPRを導入した症例の病着時リズムと生存退院の関係(The relationship between rhythm on hospital arrival and survival discharge of out–of–hospital cardiac arrest with initial shockable rhythm)
Author(s) -
Akihiro Kawamoto 河本 晃宏,
Hirotaka Sawano 澤野 宏隆,
Taiki Moriyama 森山 太揮,
Yasuyuki Hayashi 林 靖之
Publication year - 2020
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12491
Subject(s) - medicine , rhythm , cardiology , emergency medicine
要旨 【目的】 我々は初期波形が心室細動VFの心停止症例に対して積極的にextracorporeal cardiopulmonary resuscitationECPRを導入しているが病院前で波形が無脈性電気活動PEAもしくは心静止asystoleに変化した症例はECPRを導入したとしても生存率が低いことを経験している。今回ドクターカー出動現場での情報と病院到着までの波形変化でECPR導入後の生存退院率を予測可能か検証する目的で当研究を行った。 【対象】 2015年4月2018年3月に千里救命救急センターからドクターカーで出動した院外心停止患者の診療情報を抽出し初期波形がVFでECPRを導入した41例について後方視的検討を行った。 【結果】 41例のうち退院時生存は14例で死亡は27例であった。背景因子を比較すると病院到着時の波形に有意な差があり生存群ではVFが92.9%に対し死亡群では40.7%と生存群でVFが有意に多かった。性別目撃者の有無バイスタンダーCPRの有無に関しては両群で差はなかった。傾向スコアマッチングを用いて背景因子を調整して検討を行ったところ来院時VF群で生存退院率は有意に高かった。 【結語】 初期波形VFの院外心停止患者が病着までにPEAもしくは asystoleに波形変化した場合たとえECPRを導入しても生存退院率は低い。