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犬咬創の2週間後に突然発症した Capnocytophaga canimorsus による敗血症の1例(Sepsis caused by Capnocytophaga canimorsus two weeks after dog bites: a case report)
Author(s) -
Sayaka Matsumoto 松本 紗矢香,
Yoshihito Ogawa 小川 新史,
Tomoya Hirose 廣瀬 智也,
Tomoki Yamada 山田 知輝,
Haruhiko Nakae 中江 晴彦,
Tetsu Mizutani 水谷 哲,
Yasuaki Mizushima 水島 靖明
Publication year - 2020
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12465
Subject(s) - capnocytophaga , medicine , dog bite , flavobacteriaceae , microbiology and biotechnology , biology , pathology , bacteria , 16s ribosomal rna , genetics , rabies , bacteroidetes
要旨 Capnocytophaga canimorsus 感染症は犬・猫による咬掻創感染症の一つであり多くが敗血症を呈し死亡率約30%に達する。本邦での報告は大変稀であったが近年報告数が増えつつある。症例は70歳の女性。来院2週間前飼い犬に右手指を咬まれて数日で自然治癒した。来院前日より発熱・下痢が出現来院当日12時頃に不穏状態となったため当院へ救急搬送された。血液検査で炎症反応上昇と凝固能障害およびCTで腸管浮腫と脾臓低形成以外の有意所見を認めず明らかな熱源は同定できなかった。当初は感染性腸炎による敗血症・DICと診断し抗菌薬投与含め全身管理を開始した。第1病日より人工呼吸管理を必要としたが全身状態は経時的に軽快し第33病日に自宅退院となった。血液培養でグラム陰性桿菌を検出し犬咬創歴が入院後判明したことから下痢症状とあわせて C. canimorsus を疑った。第18病日に遺伝子検査で菌が同定され C. canimorsus 感染症による敗血症性DICと確定診断した。本症例は犬咬創後2週間経過しており受傷痕もなく早期診断は困難であったが動物咬創歴が診断の鍵となった。感染源不明の敗血症・DICの原因として C. canimorsus 感染症は鑑別に挙げる必要がある。