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呼吸性アルカローシスによる潜在的低リン血症の経時的変化(Changes over time in potential hypophosphatemia due to respiratory alkalosis)
Author(s) -
Minori Mizuochi 水落 美紀,
Nobutaka Chiba 千葉 宣孝,
Atsunori Sugita 杉田 篤紀,
Takayuki Mawatari 馬渡 貴之,
Yuri Nomura 野村 悠里,
Atsushi Sakurai 櫻井 淳,
Kosaku Kinoshita 木下 浩作
Publication year - 2020
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12454
Subject(s) - medicine , hypophosphatemia , respiratory alkalosis , respiratory system , anesthesia , metabolic acidosis
要旨 低リン血症の原因に呼吸性アルカローシスによるリンの細胞内移動が知られているが臨床的に呼吸性アルカローシス患者での血清リン値の時間的変化を観察した報告はない。我々は動悸を訴える呼吸性アルカローシスの患者に認められた低リン血症の時間的経過を観察した。本報告では全例で来院時の採血で呼吸性アルカローシスと低リン血症を認めたが24時間以内の再検査が行えなかった1症例を除き3例は12時間以内に再度血液検査が行われ呼吸性アルカローシスと血清リン値の改善を確認した。呼吸性アルカローシスによる低リン血症はホスホフルクトキナーゼやグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼなどの解糖系の酵素活性によってATP生成が亢進し解糖系にリンが取り込まれるため一時的な細胞内リン欠乏が生じるがリンの絶対量が不足するわけではない。呼吸性アルカローシスは様々な病態で発生するが酸塩基平衡の確認をしなければ捉えきれない場合がある。救急外来に搬送される様々な病態によって生じた呼吸性アルカローシスにおいても同様の経過を示す症例の存在が示唆され常に潜在的な低リン血症の存在に注意する必要がある。そして低リン血症が認められたときにはその原因を注意深く検討しなくてはならないことを再周知したい。

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