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救急搬送受入れ不可の危険因子の分析(Risk factors for nonacceptance of referrals from paramedics who request emergency transportation: an analysis of emergency transport data from the Kanagawa Prefecture)
Author(s) -
Shinjiro Wakai 若井 慎二郎,
Rimako Umebachi 梅鉢 梨真子,
Takayuki Taira 平良 隆行,
Tomoatsu Tsuji 辻 友篤,
Sadaki Inokuchi 猪口 貞樹
Publication year - 2020
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12449
Subject(s) - medicine , medical emergency , emergency medicine , emergency medical services
要旨 【目的】医療機関が消防機関からの救急患者受入れ照会を受諾できないこと以下「受入れ不可」の危険因子とくに患者背景因子と照会先医療機関属性を明らかにする。【対象】平成2526年度神奈川県救急搬送実態調査のデータを用いた。「受入れ不可」を目的変数「年齢」「性別」「平休日」「覚知時間帯」「傷病程度」「内外因」「背景因子」「病床数」を説明変数とし多変量解析を行った。さらに「救命救急センター指定」「一般/精神科病床の有無」で5群に分けて解析した。【結果】全体の受入れ不可率は20.6%であり全照会数16,722回「背景因子」のうち「精神疾患」「自殺企図」「薬物」「飲酒」「認知症」「複数科目にまたがるもの」が有意な独立危険因子であった。救命救急センター一般/精神科病床併設の受入れ不可率は10.0%で「背景因子」の影響はなかった。非救命救急センター一般/精神科病床併設の受入れ不可率は19.8%で「精神疾患」のみが有意な独立危険因子であった。それに対し非救命救急センター一般病床のみの受入れ不可率は23.7%でより多くの「背景因子」「精神疾患」「自殺企図」「薬物」「飲酒」「認知症」「複数科目にまたがるもの」が有意な独立危険因子であった。【結語】救命救急センターまたは一般/精神科病床併設の医療機関では患者背景因子の「受入れ不可」に対する影響は少ない。