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フレイルチェストに対する外科的肋骨固定が入院期間の短縮に有用であった1例(A case in which a presumed diagnosis of flail chest and the performance of rib fixation facilitated the shortening hospital stay)
Author(s) -
Chika Morita 森田 知佳,
Naoya Matsumoto 松本 尚也,
Hiroya Maeda 前田 宏也
Publication year - 2020
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12422
Subject(s) - flail chest , medicine , fixation (population genetics) , surgery , anesthesia , population , environmental health
要旨 フレイルチェストの治療は長期の陽圧換気による治療が標準的であるが長期の陽圧換気は合併症として人工呼吸器関連肺炎ICU滞在期間の延長などが考えられる。今回我々は肋骨固定術が入院期間の短縮に有用であった可能性がある1例を経験したので報告する。60歳代の男性。プレス機で体幹部を挟まれ受傷当院に搬送となった。右第1–12肋骨骨折に伴うフレイルチェスト右外傷性血気胸の診断で入院となった。入院後は疼痛コントロールと持続的胸腔ドレナージを行っていたが胸郭の動揺が持続しており血腫と無気肺の増大を来していたため第5病日に肋骨固定術を施行した。術後は早期に離床し大きな合併症なく退院しその後社会復帰した。本症例では無気肺の増大を契機に手術を行ったが手術により早期離床が可能となり長期臥床や人工呼吸器管理さらに付随する合併症を回避することができた。フレイルチェストに対する早期の肋骨固定術により入院期間を短縮できた可能性がある1例を経験した。