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イヌサフランの球根を自殺目的に大量摂取したコルヒチン中毒の1救命例(A surviving case of colchicine poisoning by consuming Colchicum autumnale bulbs for attempting suicide: a case report)
Author(s) -
Sotaro Chikamatsu 近松 惣太郎,
Yuzo Shimokawa 下川 雄三
Publication year - 2019
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12397
Subject(s) - medicine , colchicine , traditional medicine , toxicology , biology
要旨  イヌサフランは秋に開花する球根植物でその球根にはコルヒチンが大量に含まれている。誤食による死亡事例が散見され救命例は少ないが本邦において自殺目的摂取例の報告はない。今回自殺目的にイヌサフランの球根を大量摂取したコルヒチン中毒に対して持続的血液濾過透析を早期導入し救命した例を経験した。症例は44歳の女性。イヌサフランの球根2株を自殺目的で摂取し3時間後より嘔吐と水様の血便を繰り返し摂取9時間後に当院搬送となった。身体所見・バイタルサインに特記所見は認めなかった。血液検査では炎症反応と肝酵素が上昇しており凝固機能の異常を認めた。早期から持続的血液濾過透析と大量輸液を開始した。第3病日より骨髄抑制を考慮して抗菌薬の投与を開始した。第4病日より骨髄抑制が出現したため輸血と顆粒球コロニー刺激因子の投与を行った。その後は明らかな感染兆候や出血なく経過し第7–8病日にかけて血球数の改善が得られた。全身状態良好となり第18病日に自宅退院となった。コルヒチン中毒の病態は解明されていない点も多いが病態として乳酸アシドーシスや心筋抑制因子の存在が報告されており早期からの持続的血液濾過透析の導入が全身状態の改善に寄与する可能性がある。

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