
アモキサピン中毒による痙攣重積発作により重篤なアシドーシス(pH 6.499)を呈するも,救命できた1症例(A survival case of amoxapine overdose presented severe acidosis (pH 6.499) due to status epilepticus)
Author(s) -
Takeo Matsuyoshi 松吉 健夫,
Nobuo Sasaki 佐々木 庸郎,
Maki Ichinose 一瀨 麻紀,
Kazumasa Yamaguchi 山口 和将,
Naoki Kojima 小島 直樹,
Hiroshi Inagawa 稲川 博司,
Yasusei Okada 岡田 保誠
Publication year - 2019
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12394
Subject(s) - medicine , status epilepticus , acidosis , anesthesia , intensive care medicine , epilepsy , psychiatry
要旨 第二世代三環系抗うつ薬の一つであるアモキサピンは中毒により重篤な中枢神経毒性を呈することが知られている。とくに痙攣は難治性でありベンゾジアゼピンに抵抗性を示すことがある。症例は51歳の女性。アモキサピン1,500mgを服用し3時間後に痙攣重積状態で搬送された。来院時pH 6.499PaCO 2 208mmHgHCO 3 − 15.2mmol/LLac 24mmol/Lと著しい混合性アシドーシスを認めた。ミダゾラム計20mgを投与したが不応でありプロポフォール100mgを投与したところ痙攣は停止した。入院後はプロポフォールミダゾラムを持続投与し持続脳波モニタリングでは痙攣の再発はなかった。鎮静薬を漸減し第6病日に従命反応を確認したが意識障害遷延のため気管切開を実施した。合併症として横紋筋融解症を来したが急性腎傷害には至らず軽快した。第13病日にICUを退室し緩徐に意識レベルは回復したが第35病日に精神科病院へ転院した際には高次脳機能障害と運動失調が残存した。頭部CTでは来院時に脳浮腫を認めたものの第4病日に改善していた。画像上明らかではないが長時間の痙攣重積に伴う神経学的後遺症と考えられた。アモキサピン中毒による痙攣重積発作は長時間により持続重篤な転帰をたどることがある。痙攣発作が難治性であることに留意し可及的速やかに痙攣を停止させることが重要である。