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心肺停止に至った遺伝性血管性浮腫(HAE)に対してドクターカー出動による気道確保を行った1例(Performing airway securement under Doctor–car system after cardiopulmonary arrest caused by hereditary angioedema: a case report)
Author(s) -
Taiki Moriyama 森山 太揮,
Yuichi Yoshinaga 吉永 雄一,
Motonori Takahagi 髙萩 基仁,
Hirotaka Sawano 澤野 宏隆,
Chinami Hashimura 橋村 知波,
Takahiko Horiuchi 堀内 孝彦,
Yasuyuki Hayashi 林 靖之
Publication year - 2019
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12392
Subject(s) - medicine , hereditary angioedema , anesthesia , angioedema , airway , dermatology
要旨 症例は51歳の女性。救急搬送前日より口唇や口腔内の腫脹を自覚。当日は朝から顔面・頸部の腫脹が続き窒息様の仕草の後に倒れたため救急要請となった。救急隊到着時家族がCPR実施中でありCPAを確認。波形はPEA徐脈であった。当院ドクターカー医師が到着し喉頭展開すると咽喉頭浮腫による気道閉塞を認めた。声帯は可視できなかったが急峻なJ型に挿管チューブを形成し経口気管挿管を試みた。声門と思われる位置で抵抗を感じたが挿管に成功した。自己心拍再開し当院搬送となった。気管支鏡検査で喉頭蓋・声門周囲の浮腫は著明であったが感染を疑う所見は乏しく以前から誘因なく顔が腫れることがあったという既往と同様の症状を肉親も有するという家族歴より遺伝性血管性浮腫HAEを疑い検査を行ったところC4 1.3mg/dL, C1–INH活性 25%以下と共に低値であった。血管浮腫情報センターCREATEに遺伝子解析を依頼したところ遺伝子の変異を認めHAEと診断された。集中治療管理を継続したが残念ながら脳蘇生が得られず死亡退院となった。HAEは未だ一般の認知度が低く迅速診断法がないこと, C1–INH製剤を常備する医療機関が限られていることなど課題も多い。しかし早期の診断と適切な気道管理がなされれば血縁家族の罹患発見にも繋がり心停止は回避可能な疾患である。