
脾破裂と後腹膜血腫を契機に発見されたアミロイドーシスの1例(A case of amyloidosis diagnosed as spontaneous splenic rupture and retroperitoneal hemorrhage)
Author(s) -
Kosuke Otake 大嶽 康介,
Tatsuho Kobayashi 小林 辰輔,
Gaku Matsumoto 松本 学,
Yoshibumi Miyazaki 宮崎 善史,
Junichi Inoue 井上 潤一,
Fumiaki Iwase 岩瀬 史明,
Hiroyuki Yokota 横田 裕行
Publication year - 2019
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - English
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12378
Subject(s) - medicine , extravasation , amyloidosis , radiology , retroperitoneal hemorrhage , surgery , pathology
要旨 我々は当初は外傷の可能性も考慮されたが結果的にALアミロイドーシスと診断された体幹部多発出血の1例を経験し適切な治療にて救命し得たので報告する。症例は高血圧の既往がある74歳の女性で自宅で動けなくなっているところを発見・救急要請され前医に搬送された。前医で行った腹部CT検査で後腹膜血腫を認め骨盤骨折の疑いでドクターヘリが要請された。フライトドクターが現場でFASTfocused assessment with sonography for trauma陽性と判断した。病院到着後腹腔内液体貯留が増加急速輸液に反応しないショック状態に対して緊急開腹手術を行った。術中所見では腫大脾の破裂がみられ脾臓摘出術を行った。また続いて行った血管造影検査にて右腰動脈からのextravasationが確認されコイル塞栓術を行って止血を完了した。摘出した脾臓組織の病理検査を行いALアミロイドーシスと診断された。その後患者は退院し外来通院中である。アミロイドーシスにおいて腫大脾が破裂・出血する症例はあるが後腹膜出血を同時に併発した報告は検索する限り皆無であった。本症例のように外傷機転のない体幹多発出血の原因にはアミロイドーシスを鑑別に挙げるべきである。