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血中濃度測定を行ったイヌサフラン摂取によるコルヒチン中毒の1例(A case of colchicine poisoning caused by Colchicum intake, assessed via blood concentration measurement)
Author(s) -
Ayako Shiozaki 汐﨑 綾子,
Yoshikazu Hori 堀 善和,
Yoshio Nakano 中野 好夫,
Kana Hayakawa 早川 佳奈,
Takahiro Hayakawa 早川 隆洋,
Takayuki Ota 太田 敬之,
Hiroko Abe 安部 寛子
Publication year - 2019
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12376
Subject(s) - medicine , colchicine , traditional medicine , toxicology , emergency medicine , biology
要旨 イヌサフランはユリ科イヌサフラン属の球根植物である。有毒成分としてコルヒチンおよびコルヒチン類似のアルカロイドを含んでおりコルヒチンを0.5mg/kg以上摂取すると死亡することがある。患者は56歳の女性。うつ病の既往があり内服加療中であった。インターネットで購入したイヌサフランの球根直径約3cmを自殺目的に半分程度摂取し摂取10時間後嘔吐・下痢を主訴に当院へ救急搬送された。病歴よりコルヒチン中毒を疑い胃洗浄を施行活性炭50gを投与した。第2病日以降も制吐剤を併用し活性炭90g/dayの内服を継続した。また第2病日に尿量が0.3mL/g/hまで減少したが輸液負荷で対応した。第6病日には白血球数1,600/μL好中球数640/μL血小板数5.4万/μLと減少し骨髄機能障害を認めたためG–CSF製剤を投与した。また第1病日より肝胆道系酵素が上昇していたが第9病日以降は徐々に低下し腎機能骨髄機能も回復したため活性炭の内服を中止し第25病日に軽快退院した。血中コルヒチン濃度を経時的に測定したところ第1病日は4.4ng/dLと高値であったが徐々に低下し第8病日には測定感度以下となった。コルヒチン中毒の治療法は確立されていないがコルヒチンが腸肝循環をすることから活性炭の内服を8日間継続した。本症例の経過と血中コルヒチン濃度の推移について検討したので報告する。