
救急集中治療の終末期方針検討における多職種倫理カンファレンスの現状とクオリティーコントロール(Current situation and quality control from an inter–professional ethics conference on terminal policy discussions for acute disease and intensive care)
Author(s) -
Hiroyuki Inoue 井上 弘行,
Saori Muranaka 村中 沙織,
Ryoko Kyan 喜屋武 玲子,
Keigo Sawamoto 沢本 圭悟,
Shuji Uemura 上村 修二,
Keisuke Harada 原田 敬介,
Eichi Narimatsu 成松 英智
Publication year - 2019
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12361
Subject(s) - medicine , quality (philosophy) , control (management) , engineering ethics , engineering , management , philosophy , epistemology , economics
要旨 【目的】救急集中治療の人生の最終段階以下終末期における方針決定は倫理問題を抱えやすい。理由は突然発症し情報と時間的猶予が少ない生命維持装置を駆使するため急性期と終末期の境界が不明瞭意識障害などで患者が意向を示せないなどである。そのため当センターでは多職種倫理カンファレンスinter–professional ethics conference: IPECを開催し問題解決に取り組んできた。これまでに実施したIPECの内容を検証しその有用性と課題を検討した。【対象】2016年1月1日から2018年3月31日の27か月間にIPECを行った39例。患者背景IPEC開催日検討メンバー終末期の判断率意思決定の方法方針決定日と内容転帰等を算出した。【結果】IPECは必要性が判断されるとほぼ同日のうちに開催された。初回のIPECで方向性が示されたのは77%でありその後の患者家族との合意形成の過程で衝突がみられたケースはなかった。【結語】救急集中治療の現場では患者の状態変化が速く方針決定には機動性と迅速性を要するためIPECによる方針検討は有用であった。一方でその検討プロセスには質を確保することも重要でありIPEC議事録兼進行マニュアルや意思決定能力評価シートといった標準化ツールなどによるクオリティーコントロールの可能性が示唆された。