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受傷13時間後から気道狭窄を来した遅発性後咽頭間隙血腫の1例(A case of late–onset retropharyngeal hematoma inducing airway constriction 13 hours after injury)
Author(s) -
Kazuyuki Miyamoto 宮本 和幸,
Kenichirou Fukuda 福田 賢一郎,
Yasuhiro Nakajima 中島 靖浩,
Atsuo Maeda 前田 敦雄,
Jun Sasaki 佐々木 純,
Munetaka Hayashi 林 宗貴,
Kenji Dohi 土肥 謙二
Publication year - 2019
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12320
Subject(s) - medicine , constriction , airway , d dimer , anesthesia , hematoma , surgery
要旨  後咽頭間隙血腫による上気道狭窄はときに窒息となるため早期の診断と処置が必要である。症例は76歳の男性で木から墜落した。搬入後の精査で著明な線溶FDPD–dimer高値亢進状態と頭部・頸部骨盤造影CTで多部位の骨折と両側血気胸があった。頸椎・周囲の軟部組織に異常はなかった。入院後鎮痛薬の使用で一旦頻呼吸は改善したが受傷13時間後頃から再び頻呼吸が出現した。線溶亢進状態は3時間で最高値となりその後改善した。受傷17時間後の脊椎MRI中に努力様呼吸となり画像で後咽頭間隙血腫による気道狭窄がありすぐに気道確保を行った。外傷後の後咽頭間隙血腫は骨折を伴うことが多い。しかし頸椎に強い過伸展外力が加わった症例では骨傷がなくとも後咽頭間隙血腫を合併することが報告されている。とくに高齢者では加齢に伴い頸椎周囲の軟部組織が脆弱になり損傷を受けやすい。また本症例で搬入時の採血結果から外傷急性期凝固障害を合併し線溶亢進状態にあったことが考えられた。高齢者の組織の脆弱性に線溶亢進状態が合併したことで遅発性に後咽頭血腫を発症した可能性が考えられた。D–dimerが高値で脊椎に強い過伸展外力が加わったことが予測される症例では呼吸状態の慎重な観察と受傷早期から凝固能障害の補正を行うべきと考える。

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