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術前に確定診断困難であった感染性肝嚢胞穿孔による汎発性腹膜炎の1例(A case of generalized peritonitis caused by infected liver cyst perforation which was difficult to definitive diagnose before surgery)
Author(s) -
Taichiro Ueda 上田 太一朗,
Kiyotoshi Hashimoto 橋本 清利,
Muneo Yoshida 吉田 宗生,
Noriaki Kanamori 金森 規朗,
Noriyoshi Kutsukata 朽方 規喜,
Kunihiro Mashiko 益子 邦洋
Publication year - 2018
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12300
Subject(s) - medicine , peritonitis , perforation , surgery , cyst , general surgery , materials science , punching , metallurgy
要旨  感染性肝嚢胞はしばしば症例報告され経皮的ドレナージの対象となるが感染性肝嚢胞穿孔は極めて稀な疾患である。今回我々は術前に診断困難であった感染性肝嚢胞穿孔により汎発性腹膜炎を来した1例を経験したため報告する。症例は86歳の男性。既往に肝S2に嚢胞の指摘あり。胆嚢炎胆管炎で1か月の入院歴があり内視鏡的乳頭切開術および抗菌薬治療で改善し退院となっていたが退院当日夜間より39℃の発熱があり改善に乏しいため再入院となった。CTで胆嚢腫大壁肥厚があることと胆管炎を否定できないことから内視鏡的胆嚢・胆管ドレナージを施行し抗菌薬投与を開始した。既知の肝嚢胞は壁の造影効果に乏しく感染は否定的であった。解熱傾向にあったが入院4日目に40℃の発熱と腹膜刺激徴候を認め緊急手術を行った。手術所見として既知の肝嚢胞に穿孔を来し膿汁流出を認め嚢胞開窓ドレナージ術および胆嚢摘出術を施行した。術中よりショック状態であり集中治療管理を要するも術後経過は良好であり術後37日目に自宅退院した。胆道系感染からの逆行性感染により既知の肝嚢胞に感染を来し穿孔したものと考えられたが術前診断は困難であった。しばしば診断確定困難な急性腹症が散見され低侵襲治療が試みられるが腹部所見を手がかりにして手術のタイミングを逃してはならない。

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