
Fomepizoleを使用したエチレングリコール中毒2例の検討(Fomepizole for ethylene glycol poisoning: two case reviews)
Author(s) -
Koji Amano 天野 浩司,
Masanori Morita 森田 正則,
Takeshi Ebihara 蛯原 健,
Fumitaka Kato 加藤 文崇,
Masahiro Kawada 川田 真大,
Akihiro Usui 臼井 章浩,
Yasuki Nakata 中田 康城
Publication year - 2018
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12269
Subject(s) - medicine , ethylene glycol poisoning , ethylene glycol , anesthesia , organic chemistry , chemistry , metabolic acidosis
要旨 Fomepizoleはエチレングリコール中毒およびメタノール中毒に対する解毒薬として日本では2015年1月に発売された。今回我々はエチレングリコール中毒に対する2例の使用経験を得たので報告する。症例1は79歳の男性。認知症があり保冷剤を誤食した。浸透圧ギャップは17.6mOsm/kgH 2 Oと開大を認めた。エチレングリコール推定血中濃度は109.3mg/dLと高値であった。入院後fomepizoleを投与したところ来院20時間後の浸透圧ギャップは6.5mOsm/kgH 2 Oまで低下した。経過中に軽度の腎機能障害が一過性に出現したものの透析を行わずに治療可能であった。症例2は36歳の男性。自殺目的で自動車の不凍液を飲んだ。浸透圧ギャップは30.2mOsm/kgH 2 Oと開大していた。エチレングリコール推定血中濃度は187.2mg/dLと高値であった。来院後速やかにfomepizoleの投与とともに血液透析も開始した。来院4時間後には浸透圧ギャップは1mOsm/kgH 2 Oまで低下し合併症も認めなかった。Fomepizoleは簡便かつ安全に使用でき本邦においても今後は治療の第一選択になるだろう。透析の適応やタイミングについては引き続き検討する必要がある。