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アニサキスによる遅発性アナフィラキシーの1例(A case of late–onset anaphylaxis caused by Anisakis)
Author(s) -
Akira Komori 小森 大輝,
Masatomo Ebina 蛯名 正智,
Koichi Ariyoshi 有吉 孝一
Publication year - 2017
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12211
Subject(s) - medicine , anaphylaxis , radioallergosorbent test , allergy , ingestion , anisakis , allergen , dermatology , urticaria pigmentosa , immunology , fish <actinopterygii> , fishery , biology
要旨 41歳の女性が受診4日前の夕食にしめサバを摂取し受診当日の朝に呼吸困難感を自覚し全身に皮疹を認めたため救急外来を受診した。来院時頻脈と頻呼吸に加え喘鳴と全身の膨疹を認めたことからアナフィラキシーと診断した。薬剤投与で症状は軽快したが入院当初の病歴からはアレルゲンが同定できず経過観察目的に入院とした。入院後は症状の再燃はなく経過していたが入院当日の夕食摂取後に膨疹と湿性咳漱を認め再度アドレナリンの投与を要した。その後一旦症状は消退したものの同日深夜に誘因なく全身の膨疹が再増悪したため抗ヒスタミン薬の内服を開始し軽快した。しかしその後も膨疹は誘因なく増悪と緩解を繰り返しながらやがて消退傾向となった。第6病日に血清アニサキス特異的IgE高値が判明し第7病日に上部消化管内視鏡にて胃壁に虫体を確認した。以上から一連の症状は来院4日前に摂取したサバが原因となったアニサキスによるアレルギー反応と診断した。過去の報告と比較して本症例ではアナフィラキシーを起こすまでの期間がアレルゲン摂取後4日と長時間経過していた点が特徴的だった。原因不明のアナフィラキシーでは詳細な病歴を遡って聴取することが大切である。またアレルギー症状を繰り返す場合にはアニサキスアレルギーを念頭に置き検査を行うことと適切な患者指導をする必要がある。

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