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一過性全健忘を呈した左帯状回から脳梁膝部にかけての脳梗塞の1例(Transient global amnesia associated with an acute infarction in the left cingulate gyrus)
Author(s) -
Hidenobu Ochiai 落合 秀信,
Takamitsu Oku 奥 隆充,
Reizo Kanemaru 金丸 禮三
Publication year - 2017
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12209
Subject(s) - transient global amnesia , medicine , amnesia , magnetic resonance imaging , infarction , gyrus , fluid attenuated inversion recovery , cardiology , epilepsy , radiology , psychiatry , myocardial infarction
要旨 一過性全健忘は急激な記銘力障害を生じるためそれを主訴に救急外来を受診することがある。今回我々は一過性全健忘様症状を主訴に来院し精査にて左帯状回から脳梁膝部にかけての小梗塞がその原因として考えられた1例を経験した。症例は76歳の女性。東京在住の夫に会いに行くために宮崎空港から羽田空港まで空路で移動しその後東京モノレールならびに山手線で移動したが宮崎空港から山手線までの間の記憶がなく当院を受診した。当院来院時意識レベルは清明で記銘力障害はみられず明らかな神経症状は認めなかったが先に述べた約4時間の記憶はなかった。記憶のなかった間もとくに問題なく一人で飛行機や電車に乗り荷物の引き取りもできていた。頭部MRI検査では左帯状回から脳梁膝部左側にかけて小梗塞を認めこれが症状の原因と思われた。急性期脳梗塞の診断にて入院加療し神経学的脱落症状を残さず入院第7日目に独歩退院となった。一過性全健忘を主訴として外来を受診した場合多くは頭部CT検査での異常や頭部打撲てんかんの既往などがない場合は一過性全健忘と診断されるがCT検査でも診断困難な脳梗塞の可能性もあるので一過性全健忘の背景因子をもたずかつ動脈硬化の危険因子を有している場合は頭部MRI検査を行うなどの注意が必要と思われる。

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