
D–dimerを用いた外傷後静脈血栓塞栓症の新たなスクリーニング基準に関する検討(Novel screening criteria for post–traumatic venous thromboembolism by using D–dimer)
Author(s) -
Keita Iyama 井山 慶大,
Takamitsu Inokuma 猪熊 孝実,
Shuntaro Sato 佐藤 俊太朗,
Shuhei Yamano 山野 修平,
Goro Tajima 田島 吾郎,
Tomohito Hirao 平尾 朋仁,
Osamu Tasaki 田﨑 修
Publication year - 2017
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12170
Subject(s) - medicine , d dimer , venous thromboembolism , dimer , thrombosis , nuclear magnetic resonance , physics
要旨 【目的】重症外傷患者では血液凝固系の異常を来し受傷直後からD–dimerが高値で推移するため血栓の指標となるD–dimerの基準値は確立していない。そこで我々は静脈血栓塞栓症venous thromboembolism: VTEを早期に発見するため外傷患者においてD–dimerを用いたスクリーニング基準の有用性を検討した。【対象】2011年から2015年までの間に当センターに入院となった外傷患者455例を対象とした。VTE予防として入院時より可能な限り全例に対して間欠的空気圧迫法を施行した。当センターのVTEスクリーニング基準は「受傷後5日目以降においてD–dimerが3測定日連続して増加かつ15μg/mL以上」と設定した。スクリーニング基準を満たした症例に対して造影CTを施行しVTEの有無を評価した。【結果】観察期間中108例がスクリーニング基準を満たしそのうち延べ73例で造影CTが施行され34例をVTEと診断した陽性率46.6%。スクリーニング基準は在院7日中央値で満たし造影CTは10日で施行された。診断時全例でVTEによる症候を認めなかった。一方基準を満たさなかった347例全例においてもその後症候性のVTEを認めなかった。【結語】本スクリーニング基準により外傷後のVTEを効率的に検出することができこの基準は日常診療の参考所見となりうる。