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抗毒素血清投与を行わなかったマムシ咬傷38症例の検討(Analysis of 38 Mamushi pit viper bite cases where patients did not receive serum antitoxin)
Author(s) -
Toshihide Tsujimoto 辻本 登志英,
Takao Chishiro 千代 孝夫,
Yuki Kotani 小谷 祐樹,
Jun Kamei 亀井 純,
Yuki Yamada 山田 裕樹
Publication year - 2017
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12158
Subject(s) - viper , medicine , antitoxin , microbiology and biotechnology , biology , toxin , ecology , venom
要旨 マムシ咬傷に対する治療には統一された方針がなく抗毒素血清は40%以上に投与されていないという報告がある。その理由はマムシ咬傷による死亡率が低いこと抗毒素血清投与による副作用発現頻度が高いことが考えられる。過去7年6か月に当施設を受診し入院したマムシ咬傷38例について経過および行われた治療について後方視的に検討した。全症例に輸液療法と対症療法が行われ抗毒素血清抗菌薬セファランチンは投与されなかった。その結果最大腫脹度がGrade III以上の症例は36例94.7%であり受傷後13時間から48時間に最大腫脹に達したのは33例86.8%であった。全身症状は15例39.5%CK上昇は26例68.4%ASTおよびALT上昇は17例44.7%に出現した。また最大腫脹度がGrade III以下の8例は全身症状も臓器障害も出現しなかった。急性腎障害発症例や死亡例はなかった。マムシ咬傷に対する統一された治療方針の決定は多くの異なる背景因子があるため困難である。本報告では経験されなかったが早期のマムシ抗毒素血清投与を考慮すべき症例としてマムシ毒の血管内注入例や急速な腫脹進行例などの報告がある。未だ確立していないマムシ抗毒素血清投与の基準を明らかにするためには過去の症例集積から抗毒素血清投与の実態をより明確にし今後多施設の症例集積により検討する必要があると考えられた。

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