Open Access血液透析療法により救命できた致死的カフェイン中毒(Successful treatment of a fatal caffeine overdose with hemodialysis)
Author(s) -
Hisako Sageshima 提嶋 久子,
Yuji Fujita 藤田 友嗣,
Hiroshi Makise 牧瀬 博,
Satoshi Gando 丸藤 哲
Publication year - 2017
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - English
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12157
Subject(s) - medicine , tachypnea , hemodialysis , anesthesia , metabolic acidosis , caffeine , acidosis , glasgow coma scale , coma (optics) , tachycardia , surgery , physics , optics
要旨 血中致死濃度を大きく上回るカフェイン中毒患者に対し血液透析療法が有効だった1例を経験した。症例は25歳男性で嘔吐・意識障害で前医に搬送となった。頻脈頻呼吸代謝性アシドーシスを認めていたが原因不明であった。数時間後自殺目的でカフェインを大量内服無水カフェインにして10gしたことが判明し内服約6時間後当院に転院となった。血液透析hemodialysis: HD施行後高流量持続血液透析high flow continuous hemodialysis: high flow CHDを継続したところ速やかに臨床症状の改善を得られた。退院後に判明した入院時のカフェイン血中濃度は186µg/mLであり血中致死濃度とされる80–100µg/mLを大きく上回っていたが一連の血液透析療法施行によりカフェイン血中濃度は速やかに低下し終了後も症状および血中濃度の再増悪がないことが確認された。独歩可能な状態まで改善し第4病日に前医へ転院となった。致死的な急性カフェイン中毒に対しHDおよびhigh flow CHDが迅速かつ有効な治療方法になると考えられた。本症例ではバイタルサインおよび動脈血液ガス分析とカフェイン血中濃度は相関していることがわかった。カフェイン血中濃度が自施設で測定不可能でもバイタルサインおよび動脈血液ガス分析を目安に血液透析療法施行終了を決定できると考えられた。