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鈍的胸部外傷における気道出血のリスク因子の検討(Risk factors for hemoptysis on blunt chest trauma)
Author(s) -
Kazushige Inoue 井上 和茂,
Hiroshi Kato 加藤 宏,
Nobuaki Kiriu 霧生 信明,
Takashi Kanemura 金村 剛宗,
Hayato Yoshioka 吉岡 早戸,
Ichiro Okada 岡田 一郎,
Eiju Hasegawa 長谷川 栄寿
Publication year - 2016
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Italian
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12131
Subject(s) - medicine , blunt , radiology
要旨 【目的】鈍的胸部外傷患者における気道出血のリスク因子を明らかにすること。【対象】2011年1月1日から2014年12月31日までに当救命救急センターへ救急搬送された外傷患者のうち胸部CT検査で肺挫傷を認めた症例を対象に気道出血のリスク因子を後方視的に検討した。【結果】出血群が40例非出血群が83例であった。受傷時年齢・性別・受傷から来院までの時間・来院時の呼吸数・収縮期血圧・GCS・体温・血小板数・FDP・BE・pneumatocele・ISSを用い多変量ロジスティック回帰分析を行ったところGCSとpneumatoceleが各々調整オッズ比0.72695% CI 0.592–0.897.11095% CI 2.130–23.70で同定された。pneumatoceleを認めた39例に検討を加えたところ気道出血に対するpneumatocele最大径のROC曲線下面積は0.78795% CI 0.637–0.936でありカットオフ値を 18.3mmとすると感度87.5%特異度65.0%であった。pneumatocele内部の性状と気道出血の有無には関連は認めなかった。【結語】鈍的胸部外傷患者の胸部CT検査で肺挫傷を認めた場合pneumatoceleが独立した気道出血のリスク因子であった。pneumatocele最大径のカットオフ値を18.3mmとすることで気道出血のリスクを予測できる可能性が示された。