
歯科治療を契機に気道狭窄を伴う深頸部・喉頭気腫および縦隔気腫が生じた1例(A case of cervical and laryngo emphysema with airway narrowing and pneumomediastinum following dental treatment)
Author(s) -
Tomoki Ishikawa 石川 友規,
Satoru Oku 奥 格,
Mizue Ishii 石井 瑞恵,
Hiroyuki Kobayashi 小林 浩之,
Takeshi Mikane 實金 健,
Tomihiro Fukushima 福島 臣啓,
Hiroaki Tokioka 時岡 宏明
Publication year - 2016
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12125
Subject(s) - medicine , pneumomediastinum , airway , mediastinal emphysema , surgery , subcutaneous emphysema , complication
要旨 歯科治療後に皮下気腫や縦隔気腫を発症した報告は多くみられる。しかし進行する呼吸困難を呈した報告はない。今回歯科治療を契機に気道狭窄を伴う深頸部・喉頭気腫が生じ気道確保を要した1例を報告する。症例は30歳男性。歯科で左下顎智歯水平埋伏歯の分割抜歯のためエアタービンを使用した際皮下気腫と呼吸困難が出現した。処置を中止し自宅にて経過をみていたが徐々に呼吸困難が増悪するため処置から6時間後に当院を受診した。来院時左下顎から頸部に広がる皮下気腫を認めた。CT検査で左下顎の粘膜下両側頸部深部組織左鎖骨上・喉頭蓋谷の粘膜縦隔まで広がる広範囲の気腫を認めた。気腫による上気道狭窄が疑われ気道確保目的に気管挿管人工呼吸管理を行った。皮下気腫と縦隔気腫は翌日には改善傾向となりリークを確認して抜管した。入院3日目には独歩退院となった。歯科治療後に呼吸困難を呈した患者では気腫の拡大による上気道狭窄が増悪し本症例のように気管挿管による気道確保を必要とする場合もあるためCT検査も活用しながら適切な気道管理を行うことが重要である。