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プロテインS欠乏症を背景とする上腸間膜静脈血栓症によって心肺停止に至った1救命例(A case of cardiopulmonary arrest caused by superior mesenteric venous thrombosis associated with protein S deficiency)
Author(s) -
Yuya Hara 原 悠也,
Hideki Asai 淺井 英樹,
Yasuyuki Urisono 瓜園 泰之,
Yasuyuki Kawai 川井 廉之,
Hidetada Fukushima 福島 英賢,
Takayoshi Shimobayashi 下林 孝好,
Kazuo Okuchi 奥地 一夫
Publication year - 2016
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12114
Subject(s) - medicine , cardiopulmonary resuscitation , thrombus , pulmonary embolism , thrombosis , surgery , anesthesia , superior mesenteric vein , anastomosis , gastroenterology , resuscitation , portal vein
要旨 症例は76歳の男性で腹痛を主訴に前医を受診したところ診察中に心肺停止状態となり約10分間で蘇生し当院へ転院となった。前医での腹部単純CTで腹水の貯留と小腸の浮腫像を認め小腸壊死を疑い緊急で試験開腹術を行った。Treitz靱帯より肛門側10cmから80cmまでの空腸が壊死しておりまた腸間膜の静脈内には血栓が認められた。病変部の切除のみを行い手術を終了した。術後の腹部造影CTで上腸間膜内から門脈に伸展する血栓を認め上腸間膜静脈血栓症と診断した。第3病日に再開腹すると残存空腸の色調は良好であり切除断端を吻合した。術後の経過は良好で第42病日に退院した。血栓症の原因検索をしたところプロテインS抗原量46%プロテインS活性36%と低下しており欠乏症と考えられた。今回我々は心肺停止に至ったが手術を行い良好な経過を得たプロテインS欠乏症によるSMVTの1例を経験した。腸管虚血により心肺停止に至った症例で早期に自己心拍再開が得られた場合は積極的に手術を行い原因疾患を治療することが重要である。