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緊急ヘリ空撮システム,災害時施設状況伝達横断幕を用いた発災急性期の俯瞰的な医療情報収集手法の開発(A new method for gathering disaster medical information, consisting of a portable aerial photography and locator system, banner to communicate the status, and a helicopter)
Author(s) -
Akira Fuse 布施 明,
Norio Narita 成田 徳雄,
Tsuneki Sakakibara 榊原 庸貴,
Hiroyuki Yokota 横田 裕行
Publication year - 2016
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12086
Subject(s) - banner , aerial photography , medicine , medical emergency , photography , remote sensing , computer graphics (images) , visual arts , computer science , geography , archaeology , art
要旨 巨大地震・津波都市直下地震では発災早期に被災状況の概要を把握することが必要とされるが救命医療活動に必要な情報収集は未だ不十分な現状がある。この課題を解決するために新たな災害情報収集手法を考案した。本手法は1. 特殊空撮システム2. 災害時施設状況伝達横断幕3. ヘリコプターの3つの要素で成り立っている。その有効性を検証するためにヘリコプターに特殊空撮システムを搭載し掲示した“災害時施設状況伝達横断幕”を撮影してその有用性を検証した。ヘリ空撮システムは可動性が高くコンパクトであり半日ほどの講習を受ければ初心者でも準備から撮影まで円滑に使用することが可能であった。データは医療対策本部ですぐに閲覧が可能で“災害時施設情報発信横断幕”の内容を読み取ることが可能であった。本手法の特徴は1. 通信インフラが災害によって使用不能になっても運用可能である。2. 本手法は自助・共助と公助があって初めて成立する手法である。3. 超急性期から運用が可能である反面あくまでもグロスに俯瞰的な情報を得ることに主眼がおかれている。さらに本手法を発展させるために取り組むべき課題として1. 必要な災害情報の事前準備2. 実施機関の検討3. 収集情報の医療部門及び他部門との共有4. 災害時施設状況伝達横断幕の啓発・普及5. 急性期亜急性期への情報収集システムとのシームレスな連接が挙げられる。