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胸骨圧迫による合併症の内胸動脈損傷の1症例(Case report of internal mammary artery rupture after cardiopulmonary resuscitation)
Author(s) -
Toshinobu Yamagishi 山岸 利暢,
Masahiro Kashiura 柏浦 正広,
Taro Yokoyama 横山 太郎,
Takahiro Tanabe 田邉 孝大,
Kazuhiro Sugiyama 杉山 和宏,
Akiko Akashi 明石 暁子,
Yuichi Hamabe 濱邊 祐一
Publication year - 2015
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12082
Subject(s) - medicine , mammary artery , cardiopulmonary resuscitation , cardiology , anesthesia , resuscitation , artery
要旨 62歳の男性。自宅を出た直後に路上で倒れ目撃者によって胸骨圧迫が開始された。救急隊現着時よりモニター波形は心室細動であり計4回の除細動後も心室細動が持続し当センターに搬送された。難治性の心室細動であったため経皮的心肺補助を導入し自己心拍が再開した。造影computed tomographyCTで右多発肋骨骨折と胸骨骨折胸骨右背側に縦隔内血腫と右内胸動脈から造影剤の血管外漏出像を認めた。冠動脈造影検査を施行したが有意狭窄はなく続けて行った右内胸動脈造影で血管外漏出像を確認し同部位にゼラチンスポンジ, マイクロコイルにより塞栓術を施行した。第5病日の胸部CTでは縦隔内血腫は消失した。循環補助からも離脱することができ不整脈の精査目的に心筋生検も行ったが診断には至らず植え込み型除細動器を留置し第58病日にリハビリ目的に転院となった。心肺停止時の胸骨圧迫の合併症として血胸や胸壁血腫などの出血性合併症は10%以上でみられるが出血源の頻度は明らかとなっておらず内胸動脈損傷の報告は少ない。心停止後の治療として冠動脈ステント留置術後には抗血小板薬機械的循環補助下では抗凝固薬の使用が必要となるため出血を助長する可能性がある。したがって早期診断早期治療のため造影CTによる血胸や胸壁血腫の有無やその出血源検索が必要と考えられる。抗血小板薬抗凝固薬使用下の出血に対する治療は周術期の出血リスクも勘案してまずは経皮的動脈塞栓術を検討し必要に応じて開胸手術を考慮すべきと考える。

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