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経皮的ドレナージで治癒し得た食道破裂に伴う両側膿胸・細菌性心外膜炎・横隔膜周囲膿瘍の1救命例(Bilateral empyema, bacterial pericarditis and peridiaphragmatic abscess due to suspected esophageal rupture treated with percutaneous drainage: a case report)
Author(s) -
Takeshi Yagi 八木 雄史,
Yasutaka Oda 小田 泰崇,
Yasuaki Ogino 荻野 泰明,
Takashi Nakahara 中原 貴志,
Motoki Fujita 藤田 基,
Yosikatsu Kawamura 河村 宜克,
Ryosuke Tsuruta 鶴田 良介
Publication year - 2016
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12073
Subject(s) - medicine , empyema , percutaneous , surgery , abscess , pericarditis , radiology
要旨 症例は69歳の男性で飲酒後に嘔吐した後から突然の腹痛を自覚し前医を救急受診した。腸炎の診断で入院となり一旦症状は軽快したが第2病日より血圧低下を認めCTで入院時には認めなかった両側胸水および心嚢液の貯留横隔膜周囲の液体貯留を認めた。心電図上はaVRを除く全誘導でSTの上昇を認め心外膜炎に伴うショックと診断され加療目的で当院に転院となった。来院後の胸腔穿刺の結果両側とも膿胸の所見および胸水アミラーゼの上昇を認めた。経過から特発性食道破裂を疑い上部消化管内視鏡を施行したが食道破裂の所見は確認できなかった。両側膿胸・敗血症性ショック・心外膜炎・横隔膜周囲膿瘍と診断し両側胸腔ドレナージおよび抗菌薬投与を行った。経過中第6病日に心嚢ドレナージを施行し第22病日に横隔膜周囲膿瘍に対して小切開下のドレナージを施行した。その後炎症は軽快し第58病日に転院となった。最終診断は食道破裂の疑い両側膿胸・心外膜炎・横隔膜周囲膿瘍とした。食道破裂の基本的治療は外科的手術だが本症例においては破裂孔が確認できず縦隔炎の所見が乏しいという非典型的な病態であった。そのため縦隔のドレナージを行わず経皮的ドレナージのみで治癒し得たと考えられた。食道破裂においては破裂の状態感染の広がりを評価し治療方針を検討することが重要である。

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