
熱傷蘇生輸液(Burn fluid resuscitation)
Author(s) -
Akinori Osuka 大須賀 章倫,
Yuichi Kuroki 黒木 雄一,
Daiki Miyao 宮尾 大樹,
Yuji Matsuura 松浦 裕司,
Shinya Onishi 大西 伸也,
Kazuhiro Yoneda 米田 和弘,
Masashi Ueyama 上山 昌史
Publication year - 2015
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12065
Subject(s) - medicine , resuscitation , intensive care medicine , anesthesia
要旨 本総説の目的は重症熱傷患者に対して適切な蘇生輸液を行うために熱傷蘇生輸液の公式が作られた背景および科学的根拠を示し今後我々が向かうべき方向性を明らかにすることである。広範囲熱傷受傷後のショックに対する蘇生resuscitationは治療医の習熟度にかかわらず困難なものである。熱傷による特異的な体液変動と浮腫形成それに伴う血管内容量の喪失により蘇生は複雑になる。現在広く使われている蘇生輸液の公式はParklandBaxterの公式である。しかし腹部コンパートメント症候群などの輸液に関わる合併症が報告され2000年にはPruittがfluid creepという概念を提唱した。そして2010年American Burn Association はガイドラインの中で推奨蘇生輸液量を減量した。そのため我が国においても混乱が生じているのが現状である。熱傷ショックに対する適切な蘇生輸液とは「ショックの離脱を果たす最低限の輸液量である」と言っても過言ではないだろう。