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電撃性紫斑病に対麻痺を合併した肺炎球菌感染症の1例(A case of pneumococcal infection with paraplegia and purpura fulminans as complications)
Author(s) -
Kohei Ishikawa 石川 浩平,
Yoshiaki Inoue 井上 貴昭,
Yuka Sumi 角 由佳,
Shigeru Matsuda 松田 繁,
Ken Okamoto 岡本 健,
Hiroshi Tanaka 田中 裕
Publication year - 2015
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12033
Subject(s) - medicine , purpura fulminans , splenectomy , surgery , immunology , spleen
要旨 脾摘後重症感染症overwhelming post–splenectomy infection: OPSIを来し敗血症に至る症例は本邦でも散見される。OPSIの発症時期は脾摘後2年から38年までと様々であるが一度罹患すると死亡率の高い疾患である。さらに脾摘後に髄膜炎や脊髄炎を来す症例が稀にみられる。我々は脾臓摘出後10年目に肺炎球菌性髄膜炎電撃性紫斑病を発症し続発性脊髄炎より対麻痺を来した症例を経験したので報告する。患者は38歳の男性。28歳時に血小板減少性紫斑病に対して脾摘術を受けた。肺炎球菌ワクチンは未接種であった。前日からの発熱・倦怠感を主訴に近医を独歩受診し感染源不明の重症感染症と診断され精査加療目的に当科に転送された。入院当日四肢に散在性紫斑と全身性硬直性痙攣を認め髄膜炎の診断で人工呼吸管理など集中治療を開始した。敗血症からは速やかに回復し第7病日に人工呼吸器を離脱したが第11胸髄レベル以下の完全対麻痺を認めた。腰椎造影MRI検査所見から脊髄炎が考えられ血液培養と尿培養から肺炎球菌を検出し肺炎球菌性髄膜炎に続発した脊髄炎と診断した。抗生剤投与により速やかに髄膜炎所見は改善したがステロイドパルス療法を行うも完全対麻痺が残存した。第63病日にリハビリ目的に転院となった。脾臓摘出後の電撃性紫斑病発症時には髄膜炎および脊髄炎の合併にも注意し早期診断に努める必要がある。

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