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乳児心肺蘇生シミュレーション実習にて習得した技能の経時的変化(The changes in CPR skills with time learned in an infantile simulation–based resuscitation training)
Author(s) -
Tomoko Onishi 大西 智子,
Takashi Muguruma 六車 崇,
Kentaro Ide 井手 健太郎,
Noriyuki Kaku 賀来 典之,
Masanori Tani 谷 昌憲,
Kohei Tsukahara 塚原 紘平,
Shingo Adachi 安達 晋吾
Publication year - 2015
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12023
Subject(s) - medicine , cardiopulmonary resuscitation , basic life support , ventricular fibrillation , advanced life support , resuscitation , physical therapy , emergency medicine , anesthesia
要旨 【背景】小児科医が蘇生事象に立ち会う頻度は低く対応し得る技能の習得にはoff–the–job trainingが必要である。しかし習得方法や再履修の時期は明らかではない。【目的】シミュレーション実習で習得した技能の経時的変化を評価し技能維持に必要な再履修を考慮した効果的な蘇生教育プログラムを立案する。【対象】国立成育医療研究センター 2009年度新規採用レジデント18名集中治療科6名および総合診療部12名を対象とした。【方法】乳児心停止例を想定した4か月間のシミュレーション実習を施行した。対象者は1か月に1度以上の頻度で実習に参加し中央値2±0回のチームリーダー役を担当した。習得した技能の定量評価として乳児の心室細動を想定した実技試験でBLSおよびALSの各手技実施までの時間を計測し実習前・実習直後・実習終了後から4か月・8か月での変化を検討した。【結果】BLS手技の人工呼吸と胸骨圧迫は実習前後でそれぞれ51→31秒中央値65→38秒同に有意に改善したp<0.05。しかし実習終了後から4か月以降には60秒以内に実施できない者がいた。ALS手技の除細動の完了時間は実習直後の160秒中央値その4か月後は189秒同で有意に遅延していたp<0.05。また蘇生事象に立ち会う頻度が少ない総合診療部レジデントは頻度の高い集中治療科レジデントより技能が経時的に悪化する傾向があった。【結語】実習により習得した蘇生技能は経時的に減衰し蘇生事象に携わる機会の乏しい医療従事者で顕著であった。技能維持には一般的な蘇生コースが求めている2年に1度の再履修では不充分であると考えられた。しかし再履修を実技講習で頻回に行うことは容易ではなく今後はe–learning等の役割に関する検討をしていきたい。