
ドクターヘリにて対応したクマ外傷の10症例(Ten cases of bear–inflicted injuries attended by air ambulance (Doctor–Heli))
Author(s) -
Naoya Matsumoto 松本 尚也,
Koichi Hoshikawa 星川 浩一,
Shigenori Kan 菅 重典,
Yasuhiko Yamada 山田 裕彦,
Yoshihiro Inoue 井上 義博,
Shigeatsu Endo 遠藤 重厚
Publication year - 2015
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12015
Subject(s) - medicine , medical emergency , emergency medicine , general surgery
要旨 【目的】岩手県では以前からクマ外傷が多発していた。クマ外傷は顔面外傷が多く出血性ショックを合併することもある。そのため初期治療開始までの時間が短縮されさらに治療可能な施設へ直接搬送が可能であるとされているドクターヘリの出動が効果的と考えられる。今回岩手県ドクターヘリが過去2年間に対応したクマ外傷の10症例について報告する。【症例】ドクターヘリが対応した症例は10症例であった。発生場所は県内全域であり10症例中6症例は山菜取りのために山に入った際の受傷であった。全例で顔面挫創を認め合併症は上肢の外傷が最多であった。2症例で出血性ショックを合併していたが死亡症例はなかった。全ての症例で現場から補液を行ったがスキンステープラによる止血を行った症例もあった。搬送先は全て当センターであった。8症例が受傷当日に全身麻酔下に緊急手術となった。【考察】クマ外傷に対してドクターヘリが出動することにより初期治療開始までの時間が短縮されさらに治療可能な施設まで直接搬送することで根治治療開始までの時間も短縮することができた。そのため出血性ショック症例も救命し得たと考えられる。また出血性ショックを未然に防いだ症例もあった可能性も考えられる。【結語】ドクターヘリにて対応したクマ外傷について報告した。クマ外傷に対してドクターヘリの出動は有用であると考えられた。