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1. はじめに 近年,講義形態におけるアクティブラーニング の重要性が増している.これは教員から学生への 一方的な講義ではなく教員と学生との双方向性や 学生らの能動的な学習を促進するというスタイル である.このようなスタイルの講義では,学生ら の状態を教員や TA が把握し,状況に応じて学生 とのやり取りや,講義の進行速度や内容を調整す ることが望ましい. しかしながら,1 名の教員と 1 名程度の TA に対 して履修生が多数という形態の講義では,講義中 に,個々の学生の状態を常時把握することは難し い. 一方,カメラの高解像度化やコンピュータの高 性能化に伴い,コンピュータがリアルタイムに外 界の状況を認識することができるようになってき ている.これらを講義で用いれば,教員や TA に 替わって学生らの状態を把握し,それを元に教員 や TA の行動を支援することで質の高い教育効果 を上げられることが期待できる. そこで本研究では,学生らの状況をリアルタイ ムに把握するため,着席した学生らの机上におけ る動作に着目し,資料閲覧,スマートフォン操作, 居眠りといった状態を認識するために,深層学習 の手法により状態を推定する基盤システムを構築, 評価した.本稿では,関連研究,想定環境,シス テムの概要,精度向上の工夫,まとめと今後の課 題について述べる.

Prototyping and evaluation of a students’ state recognition system in lectures for active learning