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地球環境保護の観点から、世界規模で断熱材や断熱技術 に関する研究開発が年々盛んとなっている。シリカエアロ ゲルは、S. S. Kistlerが 1931年にその生成を発表して 以来、 断熱性と軽量性を併せ持つ次世代の断熱材として各研究機 関、メーカが実用化に取り組んできた。近年は、シリカエ アロゲルが持つ構造的な課題である脆弱性を、不織布等の 骨格材と共に複合構成することで克服した、Fig.1に示す ような不織布エアロゲル複合断熱材として、配管用の高性 能断熱材 や小型電子機器用の薄型断熱材 など複数メー カが上市している。 シリカエアロゲルは、シリカ粒子のポーラス構造により 断熱性の高い性質を持つことから、上述の薄型断熱材のよ うに、薄い厚さであっても十分な断熱性を確保できるため、 狭い空間での活用展開が期待されている。また、シリカエ アロゲルが主である断熱材は、一般に 200 °C程度までの耐 熱性を有することから、車載機器や配管用途など、ウレタ ン等の樹脂系断熱材の適用が難しい 150 °C近傍の温度域で の使用が期待されている。しかしながら、こうしたシリカ エアロゲルを主とする断熱材を 100 °C以上の温度域で使用 する場合、高い放射率を有し、表面積が大きい構造である シリカ粒子群の、ふく射伝熱による断熱性の低下を無視す ることができない 。すなわち、室温以下の温度域では、 シリカのポーラス構造に由来し、シリカの固体部分の熱伝 導と狭小な細孔内の空気の伝熱がともに起こりにくいこと により、エアロゲルの見かけの(有効)熱伝導率は、0.02 W/(m・K)以下の小さい値となるが、100 °C以上の温度域で は、ふく射による等価熱伝導率が大きくなり、有効熱伝導 率が増大して、高い断熱性を維持することが困難になる。 また、このようなふく射伝熱を低減するために、ウレタン フォーム等の断熱材では、表面に低放射率のシートを貼付 することがあるが、本断熱材は表面に脆弱なシリカ粒子が 露出しているため、こうしたシートを貼付設置することが 難しい。 したがって、断熱材の製造工程において、ふく射伝熱の 低減に寄与する粒子(以下、追加粒子と記載)を追加複合 して、ふく射伝熱による有効熱伝導率の上昇を抑える方法 薄型断熱材の 150 °C近傍のふく射伝熱低減に関する検討

Study on Reduction of Radiation Heat Transfer of Thin Insulator at about 150 ℃