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喉頭がんの罹患数は 2008年において全国で 5295人に達 し、毎年増加傾向にある 。喉頭は声帯を有する器官であり、 事故による損傷、重度の喉頭がん治療による喉頭摘出手術 は発声障害を伴うため、喉頭摘出者に対する精神的負担は 非常に大きい。日本においては、食道発声法が一般的に用 いられているが、同手法はそれ故、電気式人工喉頭や笛式 人工喉頭が開発されている。しかし、携帯性を含む利便性 や衛生面に課題があり、喉頭摘出者に対する負担は非常に 大きい。ここで、喉頭摘出者の多くは、調音器官である食 道や口腔が無傷な状態であることが知られており、代替と なる音源を提供することによって障害を補うことが可能と なる。それ故、代替音源として圧電素子を用いた圧電振動 体が提案されている 。 圧電素子を用いた圧電振動体振動実験において、音の発 生が確認され、代替音源としての可能性が見いだされてい る。しかし発振周波数は成人男性の発声基本周波数より高 く、また微小な振動板振幅により発生音圧も最小可聴音圧 に満たず、音圧レベルも数デシベルを示したのみで、実用 的な音圧を得ることが困難であった 。ここで、振動板振 幅の増加は、振動板振幅と音圧は線形性を示すことから、 実用的な音圧を得ることに有効な手段となる。それ故、ア クチュエータである圧電振動体の面積を最大限に取るため に、フレーム面外へ振動板を支持する斜め梁を用いた新た な圧電振動体が提案されている 。しかし、同振動体の振 動板振幅の増加は確認されたが、振動板振幅に寄与する振 動板および梁の最良条件は不明である 。 従って本報では、圧電振動体における振動板および梁の 最良条件の探索を目的とし、振動板振幅の振動量を評価値 とした実験計画法解析および FEM解析を用いた静的圧電 解析を行った。さらには FEM解析の動的解析である周波 数応答解析および流体構造連成解析を実施することで圧 電振動体の周波数応答特性や空気雰囲気下における減衰 を考慮した音圧分布の確認を行うことで、音響特性も評価 する。 研究論文

人工喉頭におけるPZT 圧電振動体設計および音響特性評価