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2011年に発生した原子力発電所における事故以降、火力 発電が果たす役割が大きくなっているため、これまで高効 率な発電に大きく貢献してきた産業用ガスタービンに注目 が集まっている。一方、近年では二酸化炭素など温室効果 ガスの増加が原因と考えられている地球温暖化やそれに伴 う異常気象が大きな問題となっているため、ガスタービン には更なる高効率化が求められている。そのため、熱効率 向上の有効な手段として、燃料を燃焼させる温度を上昇さ せる傾向にあるが、それに伴って、光化学スモッグや酸性 雨の原因となる窒素酸化物 (NOx)の排出量は増加するため 問題となる。そこで、産業用ガスタービンの一部では、空 気過多の状態で燃料と空気を混合させた後、燃焼させる希 薄予混合燃焼が採用されている。予混合燃焼では、従来用 いられてきた拡散燃焼に比べて、燃料と空気の混合が不十 分なために生じる局所的高温部を低減することができるた め、NOx生成を抑制する効果がある。しかし、予混合燃焼 は火炎の安定範囲が狭く、逆火や振動燃焼などのデメリッ トがある。本研究で中心に扱う逆火とは、火炎が燃料や酸 化剤の供給方向に逆らって上流側へ伝播する現象であり、 燃料・酸化剤供給部などを焼損させ機器の信頼性低下にも 繋がる。 そのため、工業的には火炎の伝播限界が重要な要素の 1 つであり、火炎伝播の限界に関する報告 がいくつかあ る。それに加えて、逆火発生のメカニズム解明のため基礎 的な現象として詳細に解析を行っている研究報告 もあ る。また、逆火は火炎伝播の形態によって一般的に、(1)壁 面付近の境界層における火炎伝播 、(2)乱流燃焼速度の増 加による火炎伝播、(3)燃焼の不安定性に起因する火炎伝 播、(4)渦崩壊による火炎伝播に分けられる。特に、ガスター ビン燃焼器において見られる旋回流を伴う流れ場での逆火 では、渦崩壊による火炎伝播に起因するものが主要なもの として捉えられている。従来までの研究としては、円管内 旋回流を伴う希薄予混合燃焼における火炎伝播挙動に及ぼす流れ場の影響

The Effect of Flow Field on Flame Propagation Behavior in Lean Premixed Combustion with Swirling Flow