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BGA (Ball Grid Array)基板などの半導体パッケージ基板 に対し、はんだ実装前の最終表面処理として、Cuパッド上 にめっき処理が行われる。近年では、高密度実装への要求 から、狭ピッチ化と微細配線化が進み、配線の引き回しが 困難になったことで、無電解めっき処理の重要性が増して いる。実装前の最終表面処理としては、置換 Snめっきや OSP (Organic Solder Preservative)など種々の方法が挙げられ るが 、高いレベルではんだ実装信頼性が要求される場合 には、無電解 Ni/Auめっき処理が採用されてきた。しかし、 はんだ実装材料が共晶はんだ (Sn 37 wt%Pb)から鉛フリー はんだ (Sn 3 wt% Ag 0.5 wt%Cu ; SAC)へと移行したこと で、実装信頼性の低下が顕在化するようになった。これは、 はんだ接合材料の鉛フリー化により、実装温度が高温化す ることで、金属間化合物層 (Intermetallic compounds ; IMC) が厚く成長することや 、Niがはんだ中に多量に拡散する ことでリンリッチ層が形成される など問題が生じたため と考えられる。 このような状況の中で、注目を浴びているのが、高いは んだ実装信頼性を有する無電解 Ni/Pd/Auめっき処理であ る 。無電解 Ni/Auめっき皮膜と比較して、無電解 Ni/ Pd/Auめっき皮膜が高いはんだ実装信頼性を示すのは、無 電解 Pdめっき皮膜が介在することで、無電解 Niめっき皮 膜のはんだ中への拡散が抑制され、これにより、リンリッ チ層の成長が制御できるためと考えられる。 加えて、無電解 Ni/Pd/Auめっき皮膜は、はんだ実装後に 複数回リフローした場合においても、高いはんだ実装信頼 性を発現することから 、繰り返し熱履歴がかかるような FC (Flip-Chip)実装分野での普及が予想される。 上記のように、無電解 Ni/Pd/Auめっき処理は、無電解 Ni/Auめっきに代わるはんだ実装信頼性に優れた表面処理 方法と言える。しかしながら、無電解 Ni/Pd/Auめっきのは んだ実装信頼性に対する影響因子は報告例が少なく、無電 解 Pdや Auめっき皮膜の厚みの影響についてのみ論じられ ているのが現状である 。 本稿では、無電解 Ni/Pd/Auめっき皮膜のはんだ実装信頼 性を維持するために必要な生産上の管理ポイント、すなわ ち、無電解 Niめっき皮膜が及ぼす無電解 Ni/Pd/Auめっき 皮膜のはんだ実装信頼性に対する影響について紹介し、無 電解 Niめっき浴管理の重要性を解説する。

無電解Niめっき皮膜中の添加剤とはんだ接合性