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従来の Si電力変換器(インバータやコンバータ、整流 器など)と比べて圧倒的に小型・軽量で、使いやすく、安 価でもある新時代の電力変換器を実現するために、SiCや GaN等次世代半導体パワーデバイスをかなり高い温度領域 (Tjmax > 200 °C)まで高速・高電圧スイッチングさせられ る新しいパワーモジュール実装技術の確立が重要課題に挙 がっている 。Tjmaxが上ると、実装部材の熱劣化(分解 や酸化)が著しく加速して機能が低下することは勿論のこ と、隣接する他の部材との化学反応や拡散も活性化して複 合的な障害が起きることがある。また、モジュールは従来 よりも大きな温度変化(冷熱サイクル)を受けることにな り、各部材やそれらの接合体は強い熱歪に繰り返し襲われ、 構造疲労が急進する。 とくに開発を急がなければならない実装技術はダイア タッチメントである。適切なダイアタッチメントを用意で きなければ次世代パワー素子の高温信頼性も評価できない し、モジュールや変換器を構成してフル出力試験すること もできない。 筆者等は SiC半導体チップと Cu回路貼り SiN基板(以 下 Cu-SiN基板)との間を Pbフリー高温はんだで接合さ せたダイアタッチメントの開発を推進している。はんだは Au-20 mass% Sn共晶はんだ(融点 280 °C)、Au-12 mass% Ge共晶はんだ(融点 356 °C)、Zn-5 mass% Al共晶はん だ 、Bi-Ag系ハイブリッドはんだ など複数である。現 段階において、最も高い信頼性を実現しているのが Au-Ge はんだダイアタッチメントである。接合のシェア強度に関 する IEC規格に照らすと、このアタッチメントは 250 °C放 置試験では 3000時間に耐えられる信頼性を、また、-40 °C ⇔ 250 °C冷熱サイクル試験では 3000サイクルに耐えられる 信頼性を達成している。しかしながら、一方で、冷熱サイ クルの進行とともにシェア強度の低下が確実に進み、3000 サイクル以上の寿命を実現することは到底困難であること が分かった 。また、放置温度を 300 °Cまで上げるとシェ ア強度が急激に劣化する問題も顕在化した 。 本論文研究の目的はダイアタッチメントに関する上記高 温信頼性の限界を突破する実用的方法を開拓することであ 研究論文

高温領域まで拡張した高信頼SiCダイアタッチメント