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137 ( ) 1.はじめに アジアの一員であるわが国では,稲作生産性が停 滞しつつあるとの分析結果が示されている(山本・ 近藤・笹木[8]).1990 年代以降,アジアにおける 稲作生産性が停滞しつつあるとの指摘(菊池[3]) もある.ただし,わが国稲作生産性の停滞は,必ず しも全地域で一律な動きを示している訳ではない. この点を,近藤・山本[4][5]は,どの地域がど れだけわが国全体の稲作生産性の変化に貢献したか を,地域別貢献度分析によって解明している. 一方,同じアジアで日本の隣国である韓国につい ても,稲作生産性の停滞が危惧されるところである. しかしながら,韓国の稲作生産性を地域別に分析し た既存研究は見られるものの(Kwon and Lee[7], 近藤・山本・愼[6]),韓国全体の稲作生産性の変 化に対し,どの地域がどの程度の貢献を果たしたか という視点からの分析は見られない. そこで本稿では,近藤・山本・愼[6]がインデッ クス・ナンバー・アプローチによって算出した総合 生産性を用いて,韓国全体の稲作生産性に対する地 域別貢献度分析を試みる.なお,以下において地域 とは道を指す. 2.分析方法 近藤・山本・愼[6]が道別の韓国稲作生産性の 分析に適用したインデックス・ナンバー・アプロー チとは,具体的に Törnkvist 生産性指数である.また, 近藤・山本・愼[4]は道別 Törnkvist 生産性指数の 結果を用いて,Törnkvist 生産性指数の全国集計値を 計測した.その過程で,全国の生産性集計値 TFP K,t は道別米産出額シェアをウェイトとして,以下のよ うに算出される.(1)式のように,t 年目における各 道の対数化生産性水準 lnTFP a,t をウェイト w a,t により 加重平均すると,対数化した全国の生産性集計値 lnTFP K,t が求められる.なお,添え字 a は道を示し, 次節で述べるように,道の数は 8個である.

Regional Contributions to the Changes in Korea^|^rsquo;s Rice Productivity