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ボルト・ナットに代表されるねじ部品は,さまざま な機械や構造物,機器の締結に広く用いられている. ここで,ねじ部品のもっとも一般的な締め付け方法は, ナットあるいはボルト頭部に与えたトルクをねじの斜 面を利用して軸力に変換する“トルク法”である 1)~6). トルク法の最大の特徴は作業の簡便さであり,近年で は油圧あるいは空気圧を利用した締め付け装置を用い ると,呼び径が 100mmを超える大型ボルトの締め付 けも可能となっている.一方,ある程度の軸力のばら つきは避けられず,規定のトルクで締結しても目標軸 力に対して 25%~35%程度はばらつくという指摘が ある.その主要な原因は,ねじ面とナット座面の摩擦 係数のばらつきといわれている 3),4),6),7).そこで,摩擦 係数のばらつきを抑えるために,さまざまな成分の潤 滑剤が開発されて実用に供されている.ところで,ボ ルト・ナットを締め付ける場合,通常ナットにトルク を与えて締め付ける.その際,ナットの座面は完全な 平面ではなく,外縁から中心に向かってわずかなすき まが存在することがある.このような形状誤差は,塑 性加工上の問題から意図的に付けられていることがあ り,その結果,よく知られたトルク-軸力関係式中の “等価摩擦直径”が変化する.一方,本体に加工した めねじにボルトをねじ込んで締結する“ねじ込みボル ト”の場合,ボルト頭部座面の平面度が等価摩擦直径 に影響する. そこで本研究では,最初に製造業者の異なるナット とボルトを対象として,ナット座面とボルト頭部座面 の平面度を測定する.つづいて,座面形状の測定結果 を用いて,有限要素解析によりナット座面およびボル ト頭部座面の等価摩擦直径を求め,平面度の影響を定 量的に明らかにする.また,ねじ部品の座面形状が直 線のテーパに近い点を考慮して,座面の傾斜角度と等 価摩擦直径の関係を求めることにより,トルク法の締 め付け精度を向上させるための基礎データを提供する. 以上の結果に基づいて,座面の形状誤差を考慮した「ト ルク法の締め付け精度改善のポイント」を示す. ねじ部品の形状誤差を考慮したトルク法の締め付け精度の改善

Improvement of Tightening Accuracy of Torque Control Method by Taking into Account Geometric Errors in Threaded Fasteners