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船舶では船体表面に生物付着が生じることにより船 体摩擦抵抗が増加し,燃料消費量を増加させることが ある[1, 2, 3].そのため,一般的には船体への生物付着を 防止するために船底防汚塗料が塗装されている.船底 防汚塗料は,防汚剤型(Anti-Fouling type,AF 防汚 塗料)と非防汚剤型(Foul-Release type,FR 防汚塗 料)に一般的に大別される. AF 防汚塗料は加水分解 (自己研磨)型,水和分解型や自己崩壊型防汚塗料な どに類別され,防汚剤の配合量や組合せも多様である [4, 5].その中でも外航船の塗装には主に加水分解型の AF 防汚塗料を使用するケースが多い.これらの船底 防汚塗料の防汚効果を検証するうえで,船体へ付着す る生物は,海域・季節・気象などによって生物種や付 着量が異なることから各要因を考慮した評価を要する. また,船舶の種類(コンテナー船やバルクキャリア, 自動車運搬船など)によって運行形態(船速・稼働率・ 航路など)も異なる[6, 7]. そのため,海運事業者が防汚塗料を選択する際、客 観的な指標の代わりに塗料メーカーによるアドバイス を受けて塗料を選択している.もし,ISO や JIS のよ うに規格された客観的な性能評価手法を構築すること が出来たならば,海運事業者にとって,より適切な防 汚技術を選択できるような支援体制を整備する一助に もなると考えられる.そのため,客観的な性能評価手 法の構築に必要となる防汚塗料の防汚効果について検 証することにした. 本研究では,特に製品数の多い防汚剤として亜酸化 銅を含有するAF 防汚塗料[4, 5]に着目した.しかしなが ら,亜酸化銅を含有する現行の AF 防汚塗料製品の防 汚性能は高く,東京湾で約 340 日間実海域静置浸漬を 実施した後でもフジツボ汚損が無かった研究報告[8]も あり,防汚剤の組合せも多様である.そのため,短期 間で,種々の AF 防汚塗料製品を使用して防汚効果を 評価することは難しいと考える. そこで,防汚剤について亜酸化銅のみを使用し,そ の量を段階的に変化させた AF 防汚塗料を作製し,実 海域実験サイトや浸漬時期の違いによる防汚効果の差 を検証した.具体的には,長崎湾(長崎県)で冬季に 亜酸化銅配合量を系統的に変えた防汚塗料による実海域の防汚性能

Seawater Immersion Performance of Antifouling Paints with Varying Content of Cuprous Oxide