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2014年12月現在,米国化学会の Chemical Abstracts Service(CAS) に登録されている化学物質数は約9100万種にものぼる 1)など,人間 活動の中で多種多様な化学物質が世界中で大量に製造,使用,廃棄 されている。実際に日本国内で製造,使用,廃棄されているのは, 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)対象の化 学物質約 2万種 2)に農薬取締法対象の農薬類,薬事法対象の医薬品 や化粧品などを加えた数万種程度である。ところがこれらの物質は, 化審法等によって新規,既存物質ともに開発,審査の過程で人の健 康や野生生物への影響を考慮した一定の入口規制が実施されている ものの,環境中への排出を管理する出口規制は限定的である。たと えば,1999年に法制化された汚染物質排出移動登録(PRTR)制度 によって環境中への排出量が事業者によって毎年報告されている第 一種指定化学物質は,2008年の改正後でも462種に過ぎない 3)。また, 1971年に制定された水質汚濁防止法に定められる排水基準項目(お よび水質環境基準項目)も,度重なる追加に伴って増加したものの 人の健康保護を目的とした水銀やカドミウム,鉛,PCB,トリクロ ロエチレンなどを含む28種類(環境基準は27種類)と,生活環境の 保全を目的とした pHや BOD,SS,亜鉛,窒素,リンなど15項目(水 生生物保全のための 3項目を含む,環境基準は12項目)に留まって いる 4)。ほかにも水質環境基準の要監視項目(26項目)や要調査項 目(208項目)4),水道法による水道水質基準(51項目)5)や合わせ ても約300種類に留まる。 それ以外に,水質汚濁防止法の排水基準に準じて下水への排除 を定めた下水道法施行令 6)や,水質環境基準を超過することが懸 念される10湖沼を対象とした湖沼水質保全特別措置法(1984年制 定)7)のほか,瀬戸内海環境保全特別措置法(1988年制定)8)などに 総 説 [環境化学(Journal of Environmental Chemistry)Vol.25, No.1, pp.3-10, 2015]

<b>Current Trends and Future Perspectives on Evaluation and Control </b><b>of Toxic Chemicals in Effluents using Bioassay </b>