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(工藤) はじめに先生方のご紹介をしたいと思います。 東日本大震災から2年半が過ぎましたが,この2年半 という時間経過の中で,必要とされている心理的支援 の内容あるいは質が,当初必要とされてきたものとは だいぶ変わってきているように思います。特に被災し た子どもの発達・教育的支援について言えば,狭い意 味での心のケアでは対応しきれない課題が累積してお り,中長期的展望に立った支援体制の構築が求められ ていると思います。このような現状認識を踏まえまし て,本日は,教育心理学・学校教育・精神医学といっ た立場から震災支援に関わってこられた先生方を中心 に,今後の心理的支援のあり方について学び合う場を 提供することを目的として,このようなシンポジウム を企画いたしました。 まず初めに,早稲田大学教授の河村茂雄先生に話題 提供をいただきます。河村先生は,カウンセリング心 理学の知見に基づいた学級経営の研究で広く知られて おります。学級集団アセスメント用アンケート,QUの開発者としてご存じの方も多いと思います。本日 は被災地の中学生を対象とした調査結果から,生徒の 学校生活意欲や学級生活満足度の経年変化についてお 話しいただきます。よろしくお願いいたします。 続いて話題提供いただきますのは,宮城県立拓桃支 援学校校長の櫻田博先生です。櫻田先生は,東日本大 震災当時,石巻支援学校長として,震災対応や避難所 経営にあたられました。それらの経験を踏まえて,学 校の危機管理体制について多くの提言をされておりま す。本日は学校教育に携わる立場から,今後の教育的 支援のあり方についてお話しいただきます。よろしく お願いいたします。 続きまして,外務省メンタルヘルス対策上席専門官 で,岩手医科大学客員准教授の鈴木満先生にお話しい ただきます。鈴木先生は,精神科医として20年間に わたり,海外法人のメンタルヘルス支援活動に携わっ ておられます。震災後はNPO法人「心の架け橋いわ て」の理事長として,岩手県大槌町を中心に,現地の 支援を続けていらっしゃいます。本日は精神医学の立 場から,被災地コミュニティの長期的再生に向けたお 話をいただきます。よろしくお願いいたします。 以上,3名の先生方に,それぞれ30分程度話題提 供をしていただくことを予定しております。その後, 15分の休憩を挟みまして,指定討論に移りたいと思 います。指定討論は2名の先生方にお願いいたしまし た。 まず筑波大学教授,石隈利紀先生に指定討論をお願 いいたします。石隈先生は,日本学校心理士会会長と して,東日本大震災子ども・学校支援チームを立ち上 げるとともに,福島子どもの心のサポートチーム協議 会委員として,被災地支援の第一線に立たれました。 2012年には,その功績を称え,アメリカ学校心理士 会から会長賞が授与されております。本日は学校心理 学の立場から,これからの支援に向けた新しい論点を 2014,Vol.53,258-283 The Annual Report of Educational Psychology in Japan

How Should We Support the Development and Education of the Children Who Are Survivors of the 2011 Great East Japan Earthquake?