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1.は じめに ラバ(騾 馬:Mule)は 、雄ロバ と雌 ウマ との一代種 間雑種で生殖能力 を持たないが、役畜 に適 し利用価値 が高い とされている。一方、雄ウマ と雌ロバ との種問 雑種はケッテイ(鴃 騅:Hinny)と よばれ、役能力がや や劣るためにあま り利用 されていない。家畜の場合 は 良い性質を持つものを得 るために人為的に雑種 を作 り 出されて きた。一般 に雑種 は両親のいずれかの種 の形 質より優れていることが多 く、これを雑種強勢 といい、 ラバや トウホアンアー(土 蕃鴨)(菜 鴨(ツ アイアー)の 雄 と バ リケ ンの雌 を交雑)が この例である。また、動 物園では、 ライガー、 レオポン、 タイゴンなどの人気 の高いネコ科 の動物について人為的に種 問雑種が作 ら れた。これ らのほとんどは、一代雑種であ り、生殖能 力 に乏 し く雑種 同士 の交配 はで きない ことが多 い と されてい る。キジ 目鳥類 では、キ ンケ イ雄 とキジ雌 を交雑 し、テ ンケイ と称 し、食肉用 として飼育 され ている。 形態形質や妊性 などの繁殖性 を調査す る目的での人 為交雑による雑種の研究はあるが、 自然状態における 雑種の現状 を分子遺伝学的に明 らかに した報告 はほと ん どない。著者 ら(Nishiboriら2005)は 、ニワ トリ(鶏) とヤケイ(野 鶏:セ キショクヤケイ、ハイイロヤケイ、 セイロンヤケイ、 アオエ リヤケ イ)と の類縁関係 を分 子遺伝学的に解析 する中で、ニワ トリとヤケイとの問 で種間雑種が存在 していることを発見 した。 また、ア カアシイワシャコとイ ワシャコとの問に雑種が存在 す ることを分子遺伝 学的に明 らか に した報告 もある (Barattiら2004)。 本稿 では、キジ 目鳥類 の 自然下で の雑種 とその研 究の現状 を紹介 し、キ ジ目鳥類 を分 類学的立場 か ら、お よび遺伝資源保護の見地か ら考 察する。

Evidence for hybridization of species in the order Galliformes based on molecular and population genetics