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(1) ナガイモの物性 前述のように,十 勝は全国の30%を 占めるナガイモの 大生産地である。ナガイモの特性は粘 りにあると考えら れるので,ま ず,ナ ガイモ トロロの流動特性を求めビン ガム流体であることを明 らかにした2)。また,精 製粘質 物の極限粘度が400で あることを明らかにした3)。さらに, ナガイモ特有の粘 りを,ビ デオガメラを用いた自作のね じり振動式粘弾性測定装置により,粘 性および弾性係数 化 して,粘 りの性質を定量化することに成功 した4)。さ らに,ナ ガイモの粘弾性(粘 性および弾性係数)の 諸性 質を調べ,こ れ らが振幅,振 動数お よび温度などに依存 することを発見 した4)○また,粘 質物の化学組成 を調べ, リン酸-マ ンナン-タ ンパク質複合体であることを解明 した3)。 (2) 生育中の品質 圃場の地温は9月20日 頃までほぼ一定であったが,そ の後急速に低下し,根 茎重量は10月 中旬にほぼ一定値に 達 し,水 分 も10月下旬以降一定 となることが判明 した (図1お よび図2)5)。 ナガイモの糖含量 も同様 に,11月 初旬最低値 とな り,そ の後急速に上昇 した。固形分およ び粘質物含量は9月 初旬には低いが,そ の後急激に上昇 することを明らかにした。粘度は10月 下旬で最高値をと った(図3)。 ナガイモの粘度は,不 溶性固形分 と直線 関係 となり,固 形分の多いものほど高粘度 となることが 判明 した(図4)。 さらに,ナ ガイモの弾性 は粘質物含 量に比例することがわかった。ナガイモの粘度は地温が 11°C に低下 した とき最高 とな り(図5),こ の時期(10 月末~11月 初旬)に 収穫すれば(図1)収 穫適期 となる ことが明らかにしだ)。 (3) 圃 場 越 冬 地温お よび品温は,外 気温の低下につれ降下 したが, 積雪量の増 した1~3月 は,温 度低下は少な く,安 定 し たもの となることを明らかにした(図6)6)。 土壌凍結深 度は積雪の少ない11~12月 は,急 速に増大 したが,積 雪 の多い1~2月 では,凍 結の進行速度は低下 した(図7)。 厳寒期 の1~2月 の圃場の気温降下は著 しい ものの, 土壌凍結および地温低下は,き わめて穏やかであること を明 らかにした。ナガイモ首部の位置する地表面下20cm の地温は,ナ ガイモの凍結点(-1.8°C)に 達せず,圃 場越冬の安全性はかな り高いことを明 らかにした。 越冬 中の土壌空気は,0.1%と ややCO,濃 度が空気 に 比べ高いことを明らかにした。水分は徐々に上昇 し,糖 含量 も増大 した。固形分含量は減少 し,粘 度 も徐々に低 下することを明 らかにした(図8)6)。

Studies on prevention method of processing quality of Chinese yam and potato