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東洋食品工業短期大学では2013年7月にアセプティッ ク飲料製造施設が新設され,ボトルドウォーターや緑茶 飲料の製造を行っている.アセプティック飲料製造のコ ンセプトは,無菌環境下で無菌状態の容器に無菌状態の 製品液を充填密封することである.アセプティック飲料 充填機(図1)は内部を無菌環境にし,そこで容器殺菌 工程,充填工程,密封工程を行うのが特徴である.本学 施設において,充填機内は温水や過酢酸製剤により殺菌 し,無菌保持のためUltra Low Penetration Air Filter (ULPA)フィルターを通した空気をファンで送風し, 内部を陽圧保持している.ULPAフィルターとファンか ら成るファンフィルターユニット(FFU)は過酸化水 素を用いて殺菌する.また,容器の殺菌には温水や過酢 酸製剤を使用し,製品液は超高温殺菌機を用いて殺菌す る.殺菌後の製品液はタンクに貯蔵し,そこから配管を 通じて充填機に送る.タンクや配管類はあらかじめ蒸気 殺菌し,無菌性を維持している. 安全・安心な容器詰め食品や飲料を製造するには,製 造環境の衛生管理状況や汚染状況の把握が必須である. しかし一般に食品および飲料製造施設の衛生状況に関す ることは公開されにくいのが現状であり,アセプティッ ク飲料製造時の微生物汚染等についての報告は見当たら ない.アセプティック充填方式による飲料生産は年々増 加しており,充填機内の微生物汚染状況を調査した情報 の必要性が高まっている.そこで本研究では,ボトルド ウォーター製造時における充填機内の環境調査を行い, 分離した菌株の同定を行った.また本学ではボトルド ウォーター(殺菌基準85°C,30分間8))以外にも緑茶飲 料(殺菌基準120°C,4分間8))を生産しているので,こ れらの条件下での分離菌株の耐熱性を調査した.さら に,製造現場で用いている薬剤に対する感受性と仕上が り製品(ボトルドウォーター)を含めた市販飲料製品液 中での発育支持性を調査し,アセプティック飲料充填機 内の衛生管理状態の改善について検討した.

Sanitary Inspection of the Aseptic Filling Machine and Characterization of Isolated Bacteria for Improvement of Hygiene Status in Beverage Production