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わが国の建設廃棄物は,平 成12年 度のデータによると,産 業廃棄物の排 出量(4.06億t)の 約2 割,最 終処分量(4.500万t)の 約3割 を占め,ま た不法投棄件数(1.027件)及 び不法投棄量(40.3 万t)の 約6割(平 成13年 度は7割)を 占めている。特に,昭 和40年 代以降に急増 した建築物の更 新期を迎え,建 築 解体廃棄物の発生量の増加が予想 され,そ の対応が現下の課題 となっている。 国においては,本 年3月,循 環型社会形成推進基本法に基づき,初 の 「循環型社会形成推進基 本計画」が閣議決定され,わ が国における循環型社会形成に向けての道筋が示 されたところであ る。 本特集では,現 下の建設廃棄物を取 り巻 く状況に鑑み,循 環基本法の制定に先立って制定され た 「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」 を中心 として,「 建設資材 ・廃材 リサイクル と環境」 というテーマを掲げ,建 設資材・廃材 リサイクルにかかわる法制度や法の現状ならびにそ の課題,ま た制度に関する経済的な分析,建 設産業のリサイクルの考え方やその取組み,東 京都 の取組み とその現状,さ らに消費者団体の取組み等に関する諸論考によって,各 主体の取組みの 現状 とその抱 える問題点を炙 り出し,循 環を基調 とする社会経済システムの構築に向けて,一 つ の視座 を与えようと企図するものである。 松村論文に触れられているように,循 環型社会 とは,「 製品等が廃棄物等 となることを抑制 し, 排出された廃棄物等についてはできる限り資源(循 環資源)と して活用 し,循 環的な利用が行わ れない ものは適正処分を徹底することによって実現 される,天 然資源の消費が抑制され,環 境へ の負荷ができる限 り低減 される社会」を意図している。循環型ビジネスの振興策や経済的負担措 置等の導入については,倉 阪論文を参照 されたい。 また,徳 元論文で示されているように,建 設リサイクル法 は,建 築物の解体工事 などの発注者 に対 して,都 道府県知事への届出を義務づけ,ま た,建 築物の解体工事などの受注者に対 して, (1)特定建設資材(コ ンクリー ト,木 材,ア スファル ト・コンクリー ト)の 分別解体等(基 準に従 い,廃 棄物を分別し解体する),(2)特 定建設資材の再資源化等(処 理業者への委託 も可)を 義務づ け,ま た,解 体工事の受注者に対 して,都 道府県知事による助言 ・勧告,命 令や解体工事業者の 都道府県知事への登録制度を規定するものである。 一方 ,国 土交通大臣は,建 設廃棄物のリサイクルを推進するため,「 建設 リサ イクル推進計画 2002」 に基づき,「建設 リサイクルガイ ドライン」の周知 ・徹底を図ることとしているが,そ の中 で特定建設資材廃棄物の再資源化率(平 成22年 度95%達 成)や 国直轄事業における最終処分量の 目標(平 成17年 度 までにゼロとす る)な どを掲げている。菊池論文,白 井論文は,建 設資材,コ ンクリー ト型枠材,マ ルチング材等について,木 材の再生利用を促進する方向性や木材チ ップの 品質基準策定に向けて貴重な示唆を示 している。 また,国 の基本方針を受けた都道府県知事の指 針 によって,請 負契約の際に,解 体工事費用等を書面に記載することとなっているが,東 京都の 建設 リサイクル法に基づ く指導 ・行政処分の現状や各主体間のコーデ ィネー ターとしての自治体 の役割について,白 井論文が明らかにしている。建設廃棄物のみな らず,廃 棄物 を大幅に削減す る試み として,有 田論文が示唆するように,NGO等 民間団体 レベルにおいて様々な取組みが見ら れるが,そ の一つとして,廃 棄物の発生の少ない製品やリサイクル可能な製品など,環 境への負 荷の少ない環境配慮型の製品やサービスの積極的な購入(グ リー ン製品 ・サービス)を 推進する グリーン購入ネッ トワークの活動が特筆される。発生抑制を第一義に考えると,環 境に配慮 した 設計やリサイクル資材の選択・導入 を推進す る方策 を検討 し,住 宅・建築物の分野において も使い 捨て資材 ・製品の使用自粛 を促 し,国 民のライフスタイルの変革を図るような活動への国による積 極 的 支 援 が 期 待 さ れ て いる。

Environmental Consideration and Recycling of Waste materials from Construction Activities