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本稿は、マックス・ヴェーバーにおける中国の言語と文字を手がかりとして、M ・ ヴェーバー研究での中国論に、新しい見方の可能性を示すことを目的とする。 「儒教徒は文芸的教養、それも更に正確に言えば、書籍教養をもつ人間であり、極度に はっきりと形作られた文字(Schrift-)人間であって、演説や対話のギリシア的な尊重や 熟達も、軍事的であれ経済的であれ合理的行為へのエネルギーも、同じ位よそよそしいも のであった。ピュウリタンの諸教派の大多数は聖書の確固不動をもちろん必要不可欠 としたけれども儒教徒には最高の誇りである哲学的・文学的な教養を、空虚な時間の 浪費として、また宗教的に危険なものとして拒否した」[Weber 1989 : 474 :訳 408](強調 は原著者)。この引用は、ヴェーバーの『儒教と道教』(以下 KuTと略記)の「第 8章 結論(儒教とピュウリタニズム)」中の有名な一節である。中国人の大多数は、漢民族の 文字、いわゆる漢字(以下、漢字と略記)を畏れ敬い愛してきた。しかしピュウリタンな らば、そのような文字への畏敬・愛情を拒否するであろう。ヴェーバーは、文字やそれに 関係する文書などを諸論文で広範囲に、だが KuTではそれらを集中的に論述した。けれ どもそれらは、ヴェーバー研究でその重要性に比べて軽視されてきた。理由は幾つか考え られるが、上記のような KuTと他の文献での言及の差異は、最たる一因であろう。当時、 特に欧米の文字学は、他の学問分野と比較して、最もと言ってよいほど遅滞していた。 ヴェーバー研究が文字をあまり問題視してこなかった理由は、研究が多いとは言い難い KuTで多用されているが、他の論文等ではそれ程言及されていないことも一因だろう。但 し『法社会学』『支配の社会学』『都市の類型学』等でも文書リテラシーは重要な鍵概念で はあるが[Weber 1972 : 473-4 :訳 396, 618 :訳 242, 756 :訳 103]。KuT自体でも経済倫理や

Chinese as a Syntactically Rational Language and an &ldquo;Anschaulich&rdquo; Script in the Writings of Max Weber

Chinese as a Syntactically Rational Language and an “Anschaulich” Script in the Writings of Max Weber