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33 はじめに 寄生植物ストライガ(Striga hermonthica)は,植物の根に 寄生し養分を奪って成長する.ストライガは,イネやトウ モロコシ,ソルガムといった主要穀物を枯らすため,古く からアフリカの農業に大きな被害を与えており,「魔女の 雑草」と呼ばれてきた.ストライガの種子は土壌中で休眠 状態を保ち,ホスト植物の根が近くに来ると発芽する.こ の特殊な生活環のため,通常の除草法はストライガに適さ ない.このため,ストライガの種子に汚染された地域は広 がり続け,現在ではアフリカ大陸の耕作地の2/3にも及び, これによる経済的損失は年間約1兆円を超えると見積もら れている(Ejeta 2007).こうしたストライガによる農業被 害はアフリカの食糧問題と直結しており,早急な解決法の 開発が求められている.ストライガ発芽の分子メカニズム の解明が問題解決の糸口になると考えられており,Cook ら(1966)により植物の根から滲出する分子「ストリゴラク トン」がストライガの発芽を誘導することが示された.し かし,それ以降ストリゴラクトン受容タンパク質は未解明 のまま半世紀が過ぎようとしていた.

Strigolactone receptors in <i>Striga hermonthic</i><i>a </i>